あの法則は大嘘でした~世界一のバイヤーになってみろ!

あの法則は大嘘でした~世界一のバイヤーになってみろ!

私が尊敬する人物にカルロス・ゴーンさんがいます。さまざまな評価はある
でしょうけれども、一流であるには違いありませんし、手腕はもっと肯定さ
れても良いと私は思います。さて、そのゴーンさんですが、忘れられない一
言があります。それは、ゴーンさんの「スピーチは三日も経てば忘れてしま
う」というものでした。

それは、こう続きます。「聞き手が覚えているのは、スピーチしている人の
態度や迫力、雰囲気などだ」とね。なかなかの衝撃を受けたのは、ミもフタ
もないな、と思ったからです。ただでさえ、プレゼン力だけが高いひとたち
が出世するのは、ある種の非難がつきまといます。「アイツは口だけだ」と
か「アイツは説明が上手いけれど中身はない」とかね。でもゴーンさんは、
むしろそれを前提として、「スピーチは三日も経てば忘れてしまう」とまで
いったのです。

たしかにそうだよな、と思います。なぜなら、中身を充実させようとする私
であっても、聞き手の立場だったら、スピーカーが何を言ったのか失念して
しまうからです。むかし「人は見た目が9割」とかいったタイトルの書籍が
売れました。ですから、いつの時代も、「印象」のみが他者のアタマに残り
ます。

ところで、突然ですが、このところ、さらに衝撃の事実を知ることになりま
した。そしてそれは私の無知を反省してしまう事件でした。いや、ほんとう
に恥ずかしい。

さて恥ずかしい話の続きです。私は、印象がすべてを支配するといった話の
ときに、よく「メラビアンの法則」を引用していました。「ああ、あれね」
と思ったひと、そうです、あれです。講師や教師やコメンテーターがいつも
引用する、あれです。どういうものか再度お伝えしましょう。メラビアンの
法則は、おなじみで、それぞれ第一印象を形成する率を示したものです。

・ボディーランゲージが55%
・話し方や声の調子が38%
・言葉が7%

つまり、実際の内容「言葉」は印象の7%しか寄与していないというのです!
大半はボディーランゲージや話し方。それでほとんどの印象は決まってしま
います。だから、ボディーランゲージや話し方に注意しましょう、と。

この何が恥ずかしい話なのでしょうか。はい、実は、この「メラビアンの法
則」を調べていたときのことです。驚きました。メラビアンは、そんなこと
はいっていなかったのです。もっといえば、メラビアンの法則自体、他の誰
かの適当な解釈であり、メラビアンの真意とはまったく無関係なものでした。
メラビアンからすると、迷惑な話だと思います。

ですので、この「メラビアンの法則」を引用するひとは、これまで誰も原典
にあたらず、我田引水していたことになります。ああ、恥ずかしい。ではメ
ラビアンは何といっていたか。それはご興味あるひとのみお調べください。
私がここでいいたいのは、調べずに引用することの怖さです。そして、原典
にもあたらずに話すと、いつの間にか、自分が嘘つきになっている恐怖でも
あります。

私は「世界一のバイヤーになってみろ」とこの文章の副題としました。おそ
らく、世界一の職業人の第一歩は、まず自分で考え調べることからはじまる
のでしょうね。

無料で最強の調達・購買教材を提供していますのでご覧ください

mautic is open source marketing automation