がんばれ日立製作所

がんばれ日立製作所

先日の報道によると、日産自動車の生産ラインがストップしてしまった。理由は、日立製作所(正確には日立の関係会社)のIC調達遅れだという。外資系半導体メーカーは、そのICを期限どおりに日立製作所に納入せず、結果としてSCM全体の機能停止に陥ってしまった。

この「事件」に関する的外れな議論は次のとおりだ。

・系列外取引を進めた日立製作所の調達・購買方針がいけなかった

・日産・日立製作所の連携やサプライヤーマネジメントが上手くなかった

・近年のコスト削減要請が悪しき影響を与えた

これらのすべてが意味のない議論のように、私には感じられる。まず、系列外取引がいけないというのであれば、ほとんどの企業は系列外から重要部品を購入している。電子・電気チップ部品を除けば、その多数は海外製品を調達している。しかも、それはどうしようもない産業構造に基づく。

サプライヤーマネジメントが失敗しているといいうのであれば、何が失敗しているのか。それが明らかではない。私が知っている限り、両者ともサプライヤーマネジメントは日本のなかでもっともすぐれた取り組みをしている。

また、コスト削減要請と納期は関係がない。これは生産の遅延であり、コスト削減が生産現場に直接与える影響はない。というか、コスト削減要請がいかに生産遅延に結びつくのか、それをICの生産工程にあてはめて説明できる人がいるだろうか。

私は、むしろ、この事件を「たまたま」の遅延と考える。日産・日立の責任ではない。

もちろん、その「たまたま」を予測して管理することも大切だ。しかし、カスタムICの「たまたま」な納期遅延までをもすべて事前対策することは不可能だ。よく「事前対策が必要」という人がいるが、車載用の無数のカスタムICすべてを2社購買にできる人はいないだろう。

私には、この事件が教えてくれるものは、ある種の「諦観」と、事後処理の大切さではないか、と思われるのだ。

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