サプライヤマネジメントの壁 評価方法

サプライヤマネジメントの壁 評価方法

サプライヤマネジメントが停滞する原因の1つに、サプライヤの具体的な
「評価」があります。

私自身も、かつては面倒な仕事だと思っていました。調達購買部門と品質保
証部門、あるいは生産計画部門で、バラバラに検討すると、まったく異なる
評価結果。調達購買部門で表彰対象に上ったサプライヤが、他部門では散々
な評価だったこともあります。本来、サプライヤマネジメントとは、サプラ
イヤの最新状況を踏まえ、どのように自社の事業に活用していくかとの、戦
略や方向性を見いだすのが目的です。しかし、そもそも評価結果がまちまち
で、その前で立ち止まってしまい、なかなか前に進まない。

そんな状況に嫌気がさしていた私が、なぜ今積極的に実務でサプライヤマネ
ジメントをおこない、セミナーまでおこなっているのか。それは、各部門の
担当者によるサプライヤ評価を止めたからでした。

例えば、サプライヤを評価する場合、QCDに企業戦略にそった項目を加えてい
ます。D(開発)だったり、P(ポジショニング)だったり、M(マネジメント)
といった具合です。企業戦略にそってQCDに付加する内容は別にして、QCDは
すべて数値で表現できます。例えば、以下のようにです。

Q(品質):不良率、クレーム発生率
C(コスト):コスト削減率と額
D(納期):納期遵守率

これらの数値は、企業としての目標からブレイクダウンされて、各部門の目
標となっています。それぞれの部門目標を達成するには、サプライヤにどん
な成果を求めればいいのか。これは、担当者の主観でなく、客観的な数値で
求められます。私は、QCDは担当者の手を煩わせずに、日々の日常業務の積み
重ねの結果である率や額といった数値を、そのまま使用して、サプライヤ評
価とすれば良いと考えています。各部門の担当者が介在しなければ、評価者
としての教育も必要ないし、数字を元にしているため客観的です。

担当者の手を煩わせない評価結果に加えて、企業ごとに特色をもったD(開発)
だったり、P(ポジショニング)だったり、M(マネジメント)を評価すれば
良いのです。例えば、評価結果が悪かったサプライヤがいるとします。しか
しD(開発)の観点では、自社の将来事業には欠かせないリソースを持っている
場合、QCDの低い評価は改善しなければなりません。逆に、QCDの評価はすこ
ぶる高いけれども、D(開発)や、P(ポジショニング)、M(マネジメント)の
観点では、あまり優位性を見いだせない場合、サプライヤとしての価値を再
評価する必要性があります。

サプライヤの評価方法で問題があると、属人的な評価がやり玉にあがり、評
価者教育をどうするかとの流れに陥りがりです。しかし、評価者が人間であ
る以上、100%属人的な要素をなくせないのが実情です。であるならば、
数値で評価できる内容は、数値のまま、そのままで評価結果とすべきなので
す。

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