バイヤーが思う上手な中古車の売り方

バイヤーが思う上手な中古車の売り方

バイヤーとして、散々交渉じみたことを行って、たまには指値なんて事もおこなっていて、売ってもらう時にはいくらでも自分が買いたい価格を言えるくせに、逆の立場になったときのこのドギマギぶりはなんだろうか?毎度の事ながら、自分に呆れかえってしまう。とは言っても、こんなことではいつまでもトップバイヤーへ近づくことすらできないだろうから・・・・・・今回自分の車を売るときにどうだったかを振り返って、次回売るとき(一体いつだろうか?)の糧にしたいと思っている。

1.買い取り査定依頼

今回は新車購入に伴って、現在の車を手放すことにしたもの。手放す車と購入する車のメーカーが異なるため、購入するディーラーでの下取りは期待できないだろうと思っていた。そこで、ネットで「一括査定依頼」なるものを行ってみた。

実際ネットで申し込んだのは、平日の昼間、具体的にはお昼休みに申し込んだ。もし車の一括査定を申し込もうとするのであれば、平日の昼間はお勧めしない。なぜなら、各買い取り業者の皆さんからの電話攻勢が始まるからである。事実、私は申し込みを行って、30分くらいは引き続き昼休みであったため、電話にでることができたが、業務時間に入っても電話は鳴り続けた。実際話をはじめると、詳細の仕様について確認が始まるので、できれば資料を手元に準備して、心おきなく電話を受けられる時間を指定して、一括申し込みをした方が断然良いように思える。

2.準備すべき資料

「オプションはどんなものがついていますか?」

「ナビは、DVDですか?HDDですか?」

一括査定をネットで申し込む際にも、売りたい車の仕様はインプットしなければならない。しかし買ったときにどんなオプションをつけたか?って意外と覚えていないもので、私も、いろいろな業者の皆さんと話を重ねていくうちに思い出されたオプションもあり、残念ながらすべての業者の皆さんへ同じ仕様・オプションで伝えることができたとの自信はない。一番良いのは、購入時の最終見積書とか、契約書を手元に置いて話をすることだろう。一括査定を行って、査定金額を比較するためには、最低同じ条件で査定を行う必用がある。見逃された仕様が意外にも高査定に繋がることもありそうだし、最終的には実際に車を見てもらって査定金額が算出されるわけであるが、この実車の査定が非常に水物だと思うので、せめてもその水物度合いを下げる意味で、購入時の仕様は文書があるとよいと思う。

3.自分で査定

今、自分の車が、どの程度の金額で売買されているのか?それは最後に訪れる金額の折り合いを付けるときにも重要なファクターになる。私は次の方法で、自分の車の相場を知った。

(1)買い取り業者に聞く

一斉にかかってくる電話のやり取りの中で、一般的な相場を聞いてみる。実際には走行距離であったり、車の状態によって千差万別となるが、ある程度の目安となる金額は必ずどこの業者でも持っている。事実、私の場合は判で押したようにどこの業者からも同じ金額回答が行われた。

(2)ネットで検索

検索で引っかかる金額は販売金額であることに注意すれば重要な情報となる。その金額から管理を引けば買い取り価格が逆算できるからである。各業者の管理費は、いろいろな手を使って算出する。これは普段のバイヤー稼業でのいろいろな経験が役立った。こんなページはとても参考になった。

4.業者に査定

今回合計4社に査定をして貰った。3社ともほぼ同じ金額。1社は余りにも査定金額が低くて話にならなかった。どうしてそのような出たのかわからないが、こっちだって多少の知識は有るわけで、査定の低かった業者には「バカにするな」と言いたかった。

実際の査定は、私は仕事の都合でどうしても夕方~夜となった。昼間の方が状態が良ければ車もはえるし良いのか?と思っていたが、最高金額を提示してくれた業者の査定は20:00~だった。

5.価格交渉

相手はその道のプロであり、査定→買い取り交渉ってことを日に何件もこなす買取の達人である。基本的には「買って欲しい」訳で、特に次の車が決まっているときは、気持ち的に「早く」「一円でも高く」との思いが働く。なかなか難しいけど、仕事でやっている交渉と同じく、次の車を決める前の方が、もっと冷静に対応できるかもしれないと思った。

6.バイヤー評価

最終的に買い取って貰った業者とは、その前に他の業者からかなり目標に近い金額の提示を受けていたために、気は楽だった。金額的には、最高額と二番目の提示額の差は千円である。お金としては千円の差だけれども、中身はかなり大きな差があった。

二番目の業者の担当者。査定が終わってまもなく、ちょっとあり得ない数値を口走った。正直私は戸惑った。自分でリサーチした価格にはほど遠い(高い)金額だったからだ。そして最終的な提示額と、当初口走った金額にはかなり大きな数十万レベルでの差があった。その金額の差について説明を求めると、

「私の買い取り希望金額です。上司に掛け合いましたが、ダメでした」

との軽い説明。まぁ状況は理解できるけど、この発言は「自分には価格の決定権はありません」と言っているわけで、私はバイヤーとしてもっとも恥ずべき発言と考えている。実態として、会社組織の中で働いているのはわかるし、決裁権が存在するのもわかる。でも、こっちにしたらぬか喜びも良いところだし、実際にこのような手は私は絶対に使わない。

そしてもう一つ、毎年5月末にやってくる自動車税の扱いが決定的だった。発言に問題はあったけど、金額提示は魅力的だったし、まぁいいか、と一度は売ることを決めた。いろいろな書類にサインを求められたが、読んでいて釈然としない書類があった。自動車税が還付されても、その請求権を放棄するという内容の同意書。自動車税は、毎年四月一日時点での所有者に支払う義務が発生する。従い、私が支払わなければならない。しかし車を手放した場合は、手放した期間分の税金は還付される。その権利を放棄しろと言う内容だった。還付した金額含めての買い取り金額なんだろうな~と思った。でも、なぜこの書類にサインしなきゃいけないのか?と説明を求めると、いきなりこういわれた。

「(還付金を)折半でどうですか?」

還付された金額を山分けするから納得してくれというもの。これは筋道が通らない。いきなり債権放棄の書類にサインしろといったかと思えば、今度は半分返します?そのバイヤーへの信頼感はまったく無くなってしまった。

そして、次に査定して貰った業者は、その辺もちゃんと理路整然とした説明をしてくれたのである。

最後に数社の買い取り業者の皆さんと話をする中で、ある一定の共通項が見いだせた気がしている。

(1)買い取り金額決定の権限は、金額的にかなり低いか、まったく持っていない。

中古車の買い取り金額が、生き物であり、時価なので、あやふやなバイヤーの感覚には任せられないからだろうか?どこの業者も査定の後にネットを駆使して、写真やらデータを会社へ送っていた。決済は現場でなく、オフィスで行われるってことだ。

(2)「私は相場は知らないんですよ」と、どの担当者も口を揃えて言う

実際にそうなのかな?でも、その道のプロならわかるでしょう?と言いたくもなる。ただ、車と一言で言っても、その仕様と使用状況は異なっており、本当に知らないのかもと思わせる部分も多々あった。だから会社と綿密に連絡するのかも。

(3)情報量は大手が勝る

今回査定をして貰った四社は、半々で大手と地元の業者となった。平均でも買い取り金額は大手の圧勝である。情報量だけでなく、いろいろな販路も持っているんだろうなぁ~と想像。

と、こんな感じである。でも、自分の事となると、疲れが倍になる。もうしばらく大きな売り物はしたくないなぁ~

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