バイヤーが表舞台に立つ時代 ~ ゴミを拾う男たち(2)

バイヤーが表舞台に立つ時代 ~ ゴミを拾う男たち(2)

私は「ゴミ拾い」バイヤーの共通発言を発見することができた。

(1)「いやぁ、この金額でいいかどうか、設計とも確認しないと・・・」

コストを決めるのはバイヤーだ。だけど、少なからぬバイヤーが営業に対して「自分ではコストが決められない」と言ってしまう。

目の前の人が最終的な判断ができないのであれば、対する営業も当然、最初から設計に交渉しに行くようになる。

これは合理的判断というものだ。

(2)「いやぁ、そういうことは直接設計に聞いていただければいいんじゃないですか?」

どんなときでも、バイヤーは社外取引の窓口となるべきものだ。

しかし、これも少なからぬ人が「直接設計部門に聞いてくれ」と営業に言ってしまう。

忙しさもあるが、このコトバの真の目的は、責任を分散させようということにほかならない。あるいは、単に知識がないだけか。

(3)「いやぁ、もうあの部署の要求でねぇ、ほんと大変なんだけれど」

あくまで、自分でなく他の部門の要求で、あなたのところにお願いしたいことがある。というスタンスを見せる。

こんなことを言われた営業はたまったものじゃない。

自分が納得できないことは、社内でまず戦うべきだ。

そのあとに自分が納得した要求を正統にするべきだ。

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上記のセリフを常日頃から口にしていれば、ゆっくりとした仕事生活が送れるだろう。

もちろん皮肉である。

上記のようなセリフを繰り返すことは、誰も自分に頼られなくなることを加速するだけだろう。

そしてもちろん、自分には「ゴミ拾い」しかまわってこなくなる。

その人がいる価値がなく、単に発注屋さんであれば、その道のプロ(極端にパソコンが早いとか、よく管理業務にいる異常にエクセルが上手い人)になる可能性だってあるだろう。

その道にも別段、反対はしない。

ただし、あなたの目指す目標像とは大幅に異なるはずだ。

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マーケティングの流通論は、いかに中間業種の存在がスムーズな取引の実現に有効かを教えてくれる。

「商社が冬の時代って本当ですか?」と私が訊いた、ある商社の部長はこう語って笑った。

「商社冬の時代ってのは、私が入社した頃から言われていたよ」

未だに、商社という中間業務は高利益を誇っているところが多い。

一つの会社を多企業の集まりと考えることはできないか?

もし、そうであれば、まさに購買・資材部門は、社内の商社的な役割を担っていないか?

設計がメーカーと直接やり取りをする数倍の付加価値をつけることがいくらでも可能なのではないか?

多くのバイヤーがゴミを拾うことに奔走する現在だからこそ、ゴミ以外を拾うことができる。

ゴミを蹴散らして、世界一になってみよう。

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