バスケットボールの似合う夜(2)

バスケットボールの似合う夜(2)

8割が使えない、ということは「パレートの法則」と呼ばれ、多くの人々に知られてきた。

パレートの法則とは「組織の中では、できる社員が2割で、できない社員が8割。そして、その2割が全体の8割のパフォーマンスを上げる」というものである。

その割合自体は、私の認識とさほど変わるところはない。

しかし、である。

その概念へのカウンターコンセプトとして「ロングテール」という言葉がある。

ロングテールとは、ネット社会での言葉であり「これまであまり注目されず、売れなかった商品が、ネット店舗での大きな収益源になる」ということである。

メジャーになりきれなかった商品であっても、これからは誰かの目に留まり、売り上げを着実に重ねてゆくことになる。

それは、バイヤーでも同じではないか?

経営者の認識するところの「2割」に入らなかったとしても。
エリート集団の選別に落ちたとしても。
今は陽の目を見ない仕事に従事していたとしても。

何かに一つ秀でていれば、誰かにいつかきっと注目されるときが来る。それが、その組織の中でか、組織外での賞賛かは別として、である。

バスケットボールだけでは心もとないが、その8割の中からでも自分だけの特技があれば、社会に打って出る機会は常に用意されている。

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私は「体力バカ」というものを否定したいわけではない。

「体力」とは立派な能力である。しかし、それが中途半端ではいけない。最低でも、三日三晩徹夜しても、なんなく仕事をこなせるようなレベルは必要だろう。

バスケットボールが得意というのであれば、そのつながりを通じて、バスケで関係している会社の人脈を広げ、明日から独立してもやってゆける「つながり」を持つことができるか。

何でもよい。つまりは単に「○○やってました」とか単に「○○できます」ではなく、ロングテールの中で客観的に売り物となる能力をどれだけ磨き上げることができるかが問題なのだ。

それでなければ、「8割のバイヤーは辞めてもらっていいよ」という取締役を意趣返しできないではないか。「見てみろ!」と言い返してやることができないではないか。

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それにしても、「8割役に立たない」というのはすごいことである。

無能っぷりがすごいのではない。

本当にそんなに役に立たない社員ばかりであれば、優秀な人が独立したらほとんどの場合「食っていける」と思ってしまうからだ。

そして、そう思って笑みがこぼれるからだ。

「バイヤーはバスケットボールを取締役にぶつけろ!」

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