不安と戦うバイヤー

不安と戦うバイヤー

今日はすっかり世の中夏休みで、道路も空いているはず~なんて思って家を出ると、意外にもいつもの月曜日並みにフツーに混んでいた。これはちょっとガッカリ。まぁそれだけ休みも分散しているってことなのか?

先日、学生時代の友人から、興味深い話を聞いた。HDDの復旧業者とのやり取りである。すぐに必要となるデータではなかったものの、自分の仕事人生の縮図が格納されたいたHDDなので、復旧することにしたらしい。最終的には、データもほぼ完璧な形で戻ってきてはいるが、復旧までのやり取りが、いつも売り買いを洞察しようと心がけている私には非常に興味深かった。私もちょうど一年前に同じような境遇に陥ったので、業者へ依頼する手前までならいろいろな知識を持っていた。今回はその先が聞けるということで、かなり楽しく・・・・・・本人には不謹慎だが、聞かせて頂き、途中から参加(?)させて頂いた。

キーワードは「不安」である。

最初に電話で初期診断。状況を詳しく説明すると、概算ではあるが、かなり大きな幅で金額提示も行われたらしい。かなり大きな幅とは、最安値×3=最高値である。それ以上は、実際にHDDを見てみないと判らないということで、その業者へ持ち込むこととした。

持ち込んで後、業者側で初期診断が実施された。初期診断の過程で電話があり「かなり状況的には悪い状況です」との説明。しかし、HDDのハードに然程知識のない私の友人は、何を説明されているのかさっぱりわからなかったとの事。しかし、やたらと悪い状況を説明され、時間との勝負であるとの30分以上にわたって説明を受けたらしい。

そして電話を切って程なくメールで見積が届く。三種類の見積で、最安値と最高値では約8万円の差。そして、当初提示の概算金額対比では、概算金額の最高値=正式提示の最安値となっていたとのこと。ココへ金額は書かないけれども、かなりいろんなことができる金額である。

実際のデータ復旧作業には、金額を確定して後でないと作業が始められないとの説明を受け、友人は私に電話をくれた。どうしたら良いかと。そんなのそれまでの過程が判らないし・・・・・・というと、上記のような説明をしてくれた。提示された見積を転送してもらい見てみたけれど、どれも良くわからない。3種類の差は、作業完了までの必要時間の差である。一番高価な見積は、普及して欲しいHDDの製造メーカーの製品専門で行っているエキスパートのエンジニアが対応することになっている。でも、そのスキルの差は具体的になっていない。

復旧にどんな作業が発生するのか?との質問には、そこがノウハウなので答えられないとの回答。これって気持ちはわかるけど、その時点ではHDDは渡してしまっているし、何か人質をとられた様な状態・・・・・・提示された見積で、復旧できない可能性に差はあるのか?との質問には、どれでも普及できる可能性が高いと思います・・・・・・ただ時間が違うだけですとの回答。特に急ぐ話ではなかったので、一番安い見積での作業を最終的には依頼した。

安心させ、不安に陥れるの繰り返しだ。そして不安を覆うために金額を提示し、了承させるといったプロセスを経ているように思う。普通にモノを買うときでも、納期は大丈夫?品質は問題ないかなぁ~と多少の不安を持つことはあるが、今回のケースでは、元々合ったものを失ったという喪失感に付け込んだサービス提供者側の、技術でなく売り口上の作りこみが見え隠れする。これは特殊なケースだと思うけど、バイヤーが自分の思い通りにモノでもサービスでも買おうと思ったら、極力不安に陥らないようにしなきゃいけないってことだ。不安の拭い去るには金ってことだ。

まぁ無事データがほぼ100%戻ってきたことで、良しとしなければいけないのかな?

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