今日的情報共有(牧野直哉)

今日的情報共有(牧野直哉)

なぜ情報は共有されないのでしょうか。

企業内で仕事をしていると事あるごとに「コミュニケーション」の話が登場します。そしてコミュニケーションの良化とは、様々な改善を思考する場で語られる枕詞のようです。しかし、なかなか実践されないのです。なぜでしょう。

ここで、先の震災後に行った情報に関するバイヤーのアンケート結果を見てみます。

◇震災対応のバイヤーアンケート
コメント総数 307
情報に関するコメント 80 26.1%
情報収集のコメント 60 19.5%(75%)
情報共有のコメント 3 1.0%(3.8%)

繰り返し、情報収集に関するコメントが多い一方で、その他の情報力に不可欠なプロセスへの関心が少ないことがわかります。これはできているからでしょうか。私は違うと思っています。ここで、実際に情報共有が進んでいた例、そして旧態依然とした例を対比して考えます。

【仕組みとして進んでいた例】

収集した情報を社内関係者のメールアドレスを登録したメーリングリストに流して送付。サプライヤーからの提供情報のメールの受信ボックスからの自動転送によって、サプライヤーから送った瞬間に関係者全員へと情報が届けられる。

【仕組みとして旧態依然としていた例】

昼間に電話/FAX/メールといったあらゆる手段を駆使して徹底的に情報収集。夜になって関係者を会議室に集め、収集した情報を関係者全員に発表させ、発表内容を聞くことで情報伝達を図る。

両社の違いはなんでしょうか。「旧態依然」といった言葉を使ったので、前者が良くて、後者が悪いと思われたことでしょう。情報をそれぞれのパソコンのメールボックスに届けるのは、IT技術の為せる技です。ネットの環境が整っていれば、ほぼ追加コストも無くこのような仕組みを構築できます。一方、旧態依然の方は「伝達」の部分をオフィシャルな「口コミ」に依存しています。

この2つの例。仕組みとしては、前者の方が優れています。しかし前者には大きな盲点が一つあります。前者におけるIT技術を駆使した仕組みは、パソコンの受信ボックスにまで情報を届けることはできます。しかし、受信ボックスにあるメールを読むかどうか、理解できるかどうかは担当者個人にゆだねられます。後者の場合は、少なくとも情報を理解できる場を設けています。受信ボックスに入ったメールはすべて読まれる、という性善説を前提にしている点を意識する必要があります。そして、情報力を高める上では、この部分への意識が非常に重要です。

「旧態依然」と書きました、関係者を一堂に会しての情報伝達。情報を関係者に、ある時間までに確実に伝達するとの観点では、いまだその有効性があります。理由は情報を読み解く能力の問題です。

メールが一般化して10年以上、メールによって情報の共有化が著しく改善したでしょうか。メールが配備されたとき、私が便利だなと実感したのは飲み会や、ゴルフの周知です。この手の皆が興味を持っている(はず)という前提がある際の情報伝達に、メールという手段は非常に有効です。

本来、業務上活用する情報であれば、仕事を進める上でまずまず情報得て、理解することが必須条件となります。ところが、業務の繁忙、長時間の会議、出張といった事を理由に「メールが読めない」ことがおうおうにして起こります。情報はすぐそこまできている。しかし最終的に読むかどうかを個人にゆだねています。ゆだねられた個人の多数がメールを読まなかった場合情報共有が行われません。このような事態を想定するとき、先日の大震災の後のような緊急時は、一堂に会した「旧態依然」とした情報共有の方法も利用する価値はあるわけです。

そして、そもそもの根源的な原因、それは個人の情報処理スピードです。職場にいらっしゃいませんか。メールの受信画面が真っ赤(未読)だらけの人。それも、はた目ではさほど忙しそうに見えない。ただ、人並み外れてメール処理のスピードが遅い場合は自分自身が一番不幸ですね。逆に限られた時間の中で、一つでも多くのメールを読むことができたら、一つでも多くの情報に目を通すことができれば、それだけ的確な意思決定、行動へとつなぐことができるのです。一番割を食うのは、処理できない本人です。

この点は読者の皆さんも意識されている部分ではないでしょうか。というのも、限られた時間で膨大なメール(笑)といかにして格闘するか。日々やってくるメールを、読むだけで良いのであれば問題はありませんね。しかし、我々は、情報を元に行動しなければなりません。行動の元となる意思決定を行うためには、いくつもの断片的な情報の中から、とるべきアクションの方向性を見いださねばなりません。繰り返しますが、みずからの進むべき道を指し示してくれる、そんな都合の良い情報はこの世に存在しません。行動する時間とともに、我々には考える時間が必要です。そのためには、一つの情報入手に費やす時間をできるだけ短くする必要があります。

「情報は足で稼ぐ」ということもあるでしょう。一カ所にとどまって入手できる情報には限界があります。我々が普段取引をおこなっているサプライヤーが実際にどのように製造しているかといった部分は、まさに百聞は一見にしかずです。そのような動く時間を生み出すためにも、メールのような文字情報を少しでも短時間で処理=読み込むことは、バイヤーにとっても当然必要な能力なのです。メールによって情報共有が行われていない場合、その原因は個人のスキルに起因することもあることを忘れずにいてください。

最後に、ではどのように多くのメールを読む能力を高めてゆくか。ここでは指南本をご紹介します。

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