定年後に見向きもされないバイヤーになるために(2)

定年後に見向きもされないバイヤーになるために(2)

   おそらく、バイヤーを受身的業務から能動的業務に変換する必要があるのだ。

受身業務を30年続けた人が、社会に放り出されて、「さぁ、自分の人生を生きなさい」と言われても考えることができるはずがない。

そこまで考えることを放棄していた人間が、そのときになって考えることを開始することはできない。

要するに歳をとりすぎているのだ。

会社にすがる、とまではいわない。

だけれど、会社の業務に何の疑問も持たず、あるいは持ったとしても「仕事とはこういうものだから」と割り切ってしまった人にとって、会社を離れたときの職業観など問うことはできない。

だから、バイヤーを能動的業務へと鮮やかに変身させなければならないのだ。

・・・・

バイヤーの業務を、改善する手法として、仕事に対する意識を次のように変革せねばならないのだ。

まずバイヤー業務を、「ウチに入り込みたいサプライヤーを選ぶ」という受身の行為から、「買いたいサプライヤーを口説いて、入ってもらう」という能動的な行為に定義しなおす必要があるのだ。

そして、この行為に携わるバイヤーは必ずモチベーションが上がる。

自分の属する会社の購買方針を語る必要がある。

その購買方針を語った後に、なぜあなたがたの製品が必要か、を語る必要がある。

自分がバイヤーとして何を考えているのか。

まさに人生全蓄積をかけた営みとして、営業マンに接しないといけないのだ。

自分たちをいかに魅力的に伝えることができるかが勝負なのだ。

サプライヤーをこちらに向かわせる、まさに営業活動を行う。そういう活動を主に担当する業務であることを認識することである。パラダイムをシフトさせなければいけない。

・・・・

営業マンがうける会社の印象は、製品や市場シェアよりも、バイヤー組織の魅力的観点によるところが多い。

実際に会ったバイヤーから受ける印象で、サプライヤー企業の戦略や熱意が変わることはよくあるのだ。

もちろん、多くの要素が複雑に作用するのは間違いがない。

しかし、バイヤーから語られるビジョンや会話から動かされるサプライヤーはとてつもなく多いのである。

そして、ビジョンを語ったバイヤーは、自らの言葉に影響され、そのビジョンを実現すべく活動を開始していくのだ。

最初に言葉ありきであり、ビジョンも目標もないバイヤーが定年後に自転車整理以上の仕事が回ってくるはずもないのである。
「サプライヤーに夢を語る練習をしよう」

無料で最強の調達・購買教材を提供していますのでご覧ください

mautic is open source marketing automation