年寄りは組織を変えられない、のか

年寄りは組織を変えられない、のか

先日、スコットランドが独立しようとしました。また、スペインのカタルー
ニャ州では、スペインからの独立を問う非公式の投票が行われました。この
ことについて政治的な観点から読み解くことはしません。事実だけ述べれば、
スコットランドは独立が否決されました。事前はもしかすると独立するかも
しれない、といわれていたのですが、フタを開ければ杞憂だったわけです。
この点について、一つ面白い観点から説明します。

まず
https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/fields/2177.html
をご覧ください。これは、さまざまな国の国民平均年齢を示したものです。
われらが日本はなんと46歳!で、United Kingdomは40歳、そしてUnited States
は38歳です。だいぶ日本が高齢化しているとわかりますよね。このデータを
頭に入れていただき、スコットランド独立の話に戻ります。明確に、50歳以
上の国民は独立に反対でした。そして、30歳代の若者は独立に賛成でした。
これは年長層が既得権益を有しているからでもあります。ただ、多くの国で
は、若年層ほど改革を起こそうとし、年長層はほぼ改革を起こそうとしませ
ん。

なお、香港の平均年齢は43歳と、日本まではいたらないにせよ、かなり高い
ことが伺えます。考えるに、香港のデモは若年層が起こした最後の抵抗とも
表現できるでしょう。そして、このデモの動きが潰され、そのまま国民が加
齢するとすれば中国の狙いは達することになります(皮肉なことに中国の国
民平均年齢は37歳なので、中国そのもののほうが革命が起きる可能性は否定
できないでしょう)。

どの国も、多くの場合、さきほど書いたとおり「若年層ほど改革を起こそう
とし、年長層はほぼ改革を起こそうと」しない状況が顕著です。

あまり声高に叫びたくはありませんが、若さとは何かを変えるにじゅうぶん
な基準なのかもしれません。

ちなみに、本田技研はかつて社員平均年齢が20歳代でした。その自由闊達さ
は、当時の社員が後世に語り継ぐほどでした。戦後すぐに登場した他の有名
企業も、おなじく社員の平均年齢が20歳代、30歳代のときをへて、いまでは
多くの上場企業が40歳代を平均としています。みなさんの会社はいかがでし
ょうか。私は、ここからいきなり「だから日本企業はイノベーションを起こ
せないのだ」と結論づけたいわけではありません。ただ、少しでも「加齢し
てからは、やはり業務改革の熱意が萎んだ」という感想を持つかたがいらっ
しゃるかもしれません。

米国ではひたすら移民を受け入れ続け、平均年齢を若く保ち、そしてイノベ
ーションを起こし続けています。これを組織に応用するとすれば、ひたすら
若い血を入れ続け、転職組を受け入れ、そして異文化との衝突のなかから新
たな発想を育むということになるのでしょう。方法は明確かもしれませんが、
これを実行できる組織がどれだけあるかどうかはわかりません。

が、世界のニュースを見るときに、その国の平均年齢を見るということ。そ
して、自分の組織に応用して考えてみること。この二つが新たな視点ではな
いかと思いご紹介しました。ところでみなさんの組織がもっともイノベーテ
ィブだったときの平均年齢はいくつで、そしていまの平均年齢はいくつでし
ょうか。

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