悩ましいサプライヤーの存在

悩ましいサプライヤーの存在

私にとってもっとも悩ましいサプライヤーは、品質は高く、短納期を含めた納期管理をしっかり行ない、納入実績にもキッチリとした管理が表われているサプライヤーです。加えて、価格が比較的高い場合、もっとも困ります。

バイヤー企業の社内的には、まったく問題ないのです。納期は守るし、品質も高い。そういうサプライヤーに限って、なにか問題が発生しても、対応は非常に素晴らしいのです。調達購買部門以外の満足度は高いんですね。

そして、調達購買部門への対処に問題でもあれば、その部分を突いて、なんらかの善処を引き出すきっかけにできます。しかし、バイヤーに対しても誠意ある対応を心がけ、まさに価格以外は問題がないサプライヤーなのです。

そんなサプライヤーから、ある相談を受けました。仮にA社とします。A社には総売上の7割をある大手製造業から得ています。しかし、海外からの購入が増えており、徐々に減少傾向にあって、安泰状態が一気に大きなリスクを抱えてしまいました。そこで、もっとも売上の大きな顧客以外に売上の増加が課題になっているとの話でした。

つまるところ、どうしたら発注量を増やしてもらえますか、との内容です。条件さえ揃えば、サプライヤー独自に設備投資を行なっても良いとの申し出もありました。しかし、私は発注量を減少させるべく、新たなサプライヤーの開拓を進めていました。価格面での問題を、そのまま放置するわけにはいかなかったのです。事実、新しく開拓したサプライヤーは、A社よりも30~40%コスト削減が見込めます。

しかし、全量を新規サプライヤーへ集中させるつもりはありません。価格面でのデメリットを少しでも薄めようとした苦肉の策です。新しいサプライヤーへの発注も、目処がつきつつあるこのタイミングで増産可能性の示唆でした。

しかし、こういった想定外の申し出は楽しいですね。今、どんな玉を投げ変えそうか、検討を重ねています。購買戦略の練り直して、双方にプラスになる結果を導きたいと考えています。

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