意味と無意味の臨界点(1)

意味と無意味の臨界点(1)

「そんなことなんで知ってんですか!!」

完全なインサイダー情報だ、と知った営業部長はそのバイヤーに驚いて叫んだ。

目の前にいるのは、歳もかなり離れたバイヤーだった。

自分だって知らない自社情報をなぜか目の前のバイヤーが先に知っていた。

自分の会社のことはほとんど把握しているはずだったその営業部長は、驚きを隠せずにいた。

「いや、そのことでしたら、御社の社長から聞いていたのですよ」

バイヤーは普通のように答えた。

「社長が?そうなんですか。そういう情報を私をすっとばしてご提供しているなんて全く知らなかった」

「いや、私に教えてくれたわけではなかったんですが」

バイヤーは少し曖昧に言いながらも、しかし、確実にその情報源に自信があるかのようだった。

そして、数ヵ月後。

その営業部長の企業は、バイヤーの情報通り、とあるビッグプロジェクトを広報発表することになった。

・・・・

上記のバイヤーは私だった。

一体何の情報を仕入れることができたのか。

これは徐々に述べるにしても、そういう情報を得るようになったきっかけから話さねばならない。

購買・資材部に配属されたときの私は、わけがわからずにいた。

業務が分からないのではなかった。

もちろん会社ごとのルールはある。

ただ、そういうルールなど実務を真面目にやれば覚えることは問題ない。

何が分からなかったか?

それは、自分にしかできない「仕事」が分からなかったのだ。

机を叩く先輩たち、そして電話で厚かましい口調で語りかける先輩たち、設計仕様を完全に分かっているわけでもなく勢いとノリで交渉を続ける先輩たち。

一体、この中で自分は何ができるというのだろうか?

そして、自分に積み重なっていくスキルとは何だろうか?

そういう当然の疑問が積み重なっていったのである。

経験と判断力は年長者のほうが上だ。おそらく、多くの場合これに例外を見出すことはできない。

であれば、自分が他の先輩よりも抜きん出てできるようになる仕事とは何だろうか?ということをイヤでも考えざるを得なかった。

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