愛としてのホームページ

愛としてのホームページ

恋愛は、始めるよりも、終えるほうが難しい。

中小企業への愛からはじまったこの連載は、当初の予定通り今回で終了する。需要があれば、またお会いすることになるだろう。需要がなければ、それはない。商売とは需要と供給によって成立する、いたってシンプルなものだ。

では、最終回なので、凄いことを教えよう。それは、売上を倍にする方法だ。

何をするか。

値上げをすれば良い。

怒らないで聞いてほしい。ホームページに掲載している商品の価格をためしに上げてみてほしい。どうだろうか? 売上は下がっただろうか。ヒット数は下がっただろうか。下がっていないはずだ。もしくは、客寄せ製品を、格安のものではなく、技術の粋(すい)を結晶させた超高額製品にしてほしい。

買い手たちは安値競争がさかんなネット世界において、「安い」製品ばかりを目にしている。そこでは逆説的に、高額製品が目立つことになった。安い製品ではなく、高額製品こそネットで良く売れる、ということをマーケッターたちは知っている。

考えても見てほしい。中小企業が安値競争に参加して、大企業に勝てるだろうか。体力勝負の果てに待っているのは、終わりなき値下げ地獄だ。そんな競争は大企業にやらせておけば良い。お金を使ってホームページを作ってまで、そんなことに参加することはない。

たしかに、ホームページがあれば市場の大海に飛び込んでいける。しかし、ウェブというものの安価さと手軽さは、大企業とは異なる中小企業のありようを、まだ見ぬお客たちに伝えることにこそ使われなければならない。

あなたの企業しか持たない価値を、魅力を、そして情熱を。単なる安さや早さだけではなく、その企業の想いを。それができたとき、中小企業は真の意味で、世界とつながることになるだろう。企業が存在する意味を、売買を超えた喜びを、見出すだろう。

ホームページの新たな可能性があるとすれば、そのようなものしか、私は信じることができない。

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