新年早々こまった人たち(1)

新年早々こまった人たち(1)

「台湾の人が嘘つきなのか!あなたが嘘つきなのか!どっちだ!!」

バイヤーは電話ごしに珍しく大声を上げた。

相手は商社の入社2年目の営業マンだった。

ある年始の仕事始めに机についたとき、突然の納期フォロー業務が舞い込んできたのだった。

そのモノは遅れるはずがなかった。

いや、納期が遅れがちな製品であることは知っていた。バイヤーはだからこそ年末にその若い営業マンに繰り返し確認をしていたのだった。

「あのモノが遅れている?」

バイヤーは受け入れ業務の作業者から電話をもらってすぐに、営業マンに確認の電話を入れた。

モノはオプトデバイスの応用製品で台湾から輸入しているものだった。

営業マンとの会話は下記のようなものだった。

営業マン氏:えーっと、本日に出荷してですね、明日にはウチに100個届くと思います
私:それ本当ですか? 急に出てきたんですね
営業マン氏:そうですね…
私:そっから計算して、こちらに納入されるのはいつですか
営業マン氏:ちょっと、どうだろう。調べないと分かりません
私:本当に送っているんでしょ。私がAWBから到着時間を調べますので教えて下さい
営業マン氏:うーん。ちょっと分からないんですね
私:送り状調べるだけでしょう。教えてください。
営業マン氏:いや、だからすぐには分からないんですよ

「分かんないって、どうすりゃいいんだよ、こっちは!!」

思わずバイヤーは声を出してしまったのだった。

・・・・

そのバイヤーは私だった。

いままでどれくらいの不毛な納期短縮交渉を重ねてきたのだろうか。

そしてどのくらいの軋轢がまさに今も営業マンとバイヤーの間で起きているのだろうか。

上記の電話のあとこういうことが起きた。

私はもう待っていられないため、台湾のメーカーに直接電話した。本来は商社を通しているのであれば、メーカーに直接電話することは憚られるが、この場合は緊急だった。

私:どうも。ところで、あの製品ってどの便で出されました?
その人:いや・・・・・・・・・。『あの』ってそもそも出てませんよ。あの営業の方には年末から何度も申し上げているのですが。お聞きになっていないのでしょうか?

私は絶句し、しばし途方に暮れていた。

すると営業マン氏から電話があった。

営業マン氏:なんでもお電話なさったそうで
私:はい
営業マン氏:わたくしどもが嘘をついていると思われたでしょうね
私:はい
営業マン氏:いや、どうしてもですね、納期を間に合わせたいと思いまして、その気持ちの表れだったんですね。まずもう納入日を決めてしまって、そこからスタートしよう、と。御社にご迷惑お掛けしないように、と
私:そのために嘘をついた、と
営業マン氏:それくらい、どうしてもズラせないと分かっていましたので
私:もう、どうでもいいですが

私は、「台湾の人が嘘つきなのか!あなたが嘘つきなのか!どっちだ!!」とだけ言い、電話を切った。

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