調達・購買界の不都合な真実

調達・購買界の不都合な真実

先週から日経ビジネスオンラインに連載を開始しました。調達・購買関係で
は私が初ということでした。光栄であります。日経ブランドはさすがで、連
載とともに反響が多くありました。もしよかったらお読みください。

http://goo.gl/p2QTmR

さて、私はできるだけ意外な内容を発信しようと努めています。みんなが知
っている内容を、そのまま伝えても意味がありません。できれば多くのひと
を怒らせるくらいがちょうどいい、とすら思っています。心をかき乱すよう
な文章が良いなと。

ただ、根拠ない内容ではいけません。だから私はデータとともに語ろうと思
います。さて、私がこのところずっと疑っているのは、次の三つの常識です。

常識(1):調達・購買コストは各社努力で下がり続けている
常識(2):これからは先進国に生産が回帰していく
常識(3):EMS(外部生産委託)活用は従業員の雇用観点からよろしくない

多くのひとを怒らせるにじゅうぶんかはわかりません。

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この常識(1)は、反論が予想できます。なぜなら、毎年コスト削減を2%ずつ
やっているとかね。でも、PL(損益計算書)やらの公的データを見る限り、
たとえば日本製造業全体で調達品コストが下がり続けていると確証できるデ
ータはありません。

もちろん、特定の電子部品が安くなっているなどの個別例はあるでしょう。
でも、材料の値上げだとか、為替が円安になったとか……もろもろ、マクロ
的に見ると、調達品コストが下がり続けていると確証できるデータはありま
せん。

次に、常識(2)です。新聞報道などでは、「生産回帰」「リショアリング」と
喧伝されています。私の日経ビジネスオンラインでの連載もここに焦点をあ
てました。欧米や先進国に生産が戻っている、と。実は、ここからは日経ビ
ジネスオンラインの次回連載のネタになるものですが、生産回帰と騒がれる
ほど実態はありません。

私は「日本でも生産回帰が起きるかもしれないが」と、あえて微妙な表現で
連載原稿を書きました。しかし、本音をいえば、生産回帰は起きていないと
思います。欧米や日本に生産が回帰しているという、客観的なデータはあり
ません。

もちろん、どっかの有名なメーカーが、一部の製品を日本生産に切り替えた
とか、その程度の例はありますよ。でも、それで生産回帰っていうなら、そ
れ以上の製品が日本生産から海外生産に切り替わっています。これは生産回
帰の定義によるかもしれません。ただ、海外への設備投資の比率は国内のそ
れとくらべても勝ってきています。

そして、常識(3)です。これはもっとも意外なことでした。よく「日本ではも
のづくりが大切だ」だから「生産委託したら、雇用が守られない」とする論
調が大半だからです。

ここで難しいのは、統計データではどの企業が生産委託しているか、EMS
企業を活用しているか、がわかりません。ただし、地道なアンケートなどで、
どこの企業はEMSを活用して、そしてその結果、雇用がどうなったかを知
ることはできます。その結果、なんと、EMS(外部生産委託)活用企業のほ
うが雇用を伸ばしている結果でした。

データソースは? それはおってご紹介したいと思います。ただ、この結果
を前に、私は「ほんとか」と思いました。なぜなら、私こそ常識にがんじが
らめにされていたからです。

みなさんは、この非常識についてどうお考えでしょうか。

常識(1):調達・購買コストは各社努力で下がり続けている
→そのような統計上データがない

常識(2):これからは先進国に生産が回帰していく
→むしろ海外比率があがっているとデータは示している

常識(3):EMS(外部生産委託)活用は従業員の雇用観点からよろしくない
→むしろ雇用を増やす結果になっている

これらの非常識と調達・購買部門のあり方は無関係ではありません。という
か、関係ありすぎることでしょう。残念ながら、ご質問メールにはお答えで
きませんが、おって情報を公開したり、執筆したりする予定です。もしご興
味おありの方はご自身で調べてみてください。きっとご自身なりの解釈が可
能なはずです。

お楽しみください(といって、こんな状態ですみませんが)。

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