調達業務をスピードアップするには、立ち止まらねばならない

調達業務をスピードアップするには、立ち止まらねばならない

先月、堀江貴文さんのある「発言」がネット上で物議を醸しました。

「なんでも一歩踏み出す前に勉強ってのが日本人には多いと思いますけど、
それは時間の無駄」

「よくわからない勉強に時間を費やすよりは、行動を始めた方が良い」

なかなか刺激的な発言です。発言の真意は、勉強してからじゃないと行動・
実践ができないと「勉強」が言い訳になっているケースへの戒めと受け取り
ました。しかし、ビジネスの現場で新しい取り組みをおこなう場合、「なん
だかよくわからないけど、実践と行動が重要だと思ったので始めます」と主
張するだけでは、実際に始められません。今回の発言は、勉強していないこ
とをを行動しない理由にしない、あるいは準備をできるだけ短時間で完了さ
せ、実行・実践段階へと速やかに移行させる重要性を説いているのです。

それでは、どうしたら「できるだけ準備を短時間で完了」できるのでしょう
か。

私は、なにかコトを始めるときに自分のノートに向かいます。何も書かれて
いないまっさらなページを開けて、まず、既に知っていることや、疑問点、
問題点を箇条書きにしてゆきます。これは自分自身との向き合う目的です。
そして、ポイントはなにか、不足部分はどこかを探ってゆきます。最終的に
は、その「コト」について、ゴールを明確にして、現状を分析し、想定され
るプロセスを書き出します。短くて数分、長くても30分くらいです。

「行動を始めよ」と唱える堀江さんも、頭をフル回転させて「準備」をおこ
なっているはずです。堀江さんの有料メルマガにはQ&Aコーナーがあり、その
回答を見ればわかります。さまざまな分野に渡る膨大な知見があるからこそ、
準備と同時進行ですぐ行動に移せるのです。「まず行動」とは、少なくとも
真っ暗な道をヘッドライトを点灯せずに猛スピードで走るのではありません。
日常的な情報収集と、不明点はわかる人に聞くとの姿勢を2つの「ヘッドラ
イト」として道を照らし、最短距離を進んでいるのです。

最近、調達購買部門にとっても「新たな一歩」を踏み出す機会が多くなって
います。サプライヤからなにかを購買するだけでは済まなくなっています。
4年が経過する東日本大震災によって引き起こされたサプライチェーンの寸
断への対応。食品への異物や毒物の混入や、表示偽装問題。一昨年からの円
安傾向は、一部の業種でグローバルに展開した調達構造に対し「国内回帰」
を検討するに至っています。こういった環境変化に適切に対応するためには
今、走りながらの対応が求められています。立ち止まるといっても、ほんの
少しの時間しか許されません。そして、せっかく「立ち止まる」のであれば、
後のプロセスにとっても有効でなければなりません。

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