資源に翻弄される私たち

資源に翻弄される私たち

先日の報道で、トヨタ自動車のタスクフォース設置が目にとまった。何のタスクフォースか。それはレアアースなどの調達タスクフォースだったようだ。

この方針は大きく三つ。

(1) レアアースの新しい調達ルートの開拓

(2) リサイクル品からのレアアースの収集

(3) レアアースに代わる材料の開発

もちろん、(3)も大事だけれど、やはり目の前の問題を解決するためには(1)を乗り越えなければいけない。同社は相当必死になってレアアースの調達先を探しているという。

これはもちろん中国の代替国を探すという意味もあるけれど、同じ中国であっても複数の調達先を探すという意味もある。ルートの多様化とは、それらを指している。

トヨタ自動車のタスクフォースは、私が上記で指摘したような三つのグループで構成されているという。

おそらく同社のことだから、すぐに生産に影響が出ることはないだろう。中国政府(正確には政府ではなく、中国の業者)が輸出量を制限したとしても、日本国内の在庫で一時しのげるだろう。

ただし、問題はこれからだ。レアアースがまったく輸入できないとなると、超法規的措置も考えられるし、対抗措置も考えねばならない。

実際に、海外調達の現場ではレアアースだけではなく、尖閣諸島問題で中国からの輸入品に遅れが出始めている。

これはきわめて政治的な問題でありながら、ビジネスにも影響している。

このタイトルは「資源に翻弄される私たち」である。

それが、いつの間にか「中国に翻弄される私たち」にならないように願うばかりだ。

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