購買本に思うバイヤー

購買本に思うバイヤー

今回の連休は、ある理由でとっても大人しくするしかなく、久々に本棚の整理を行ってみた。

私の家には、本を置く場所が4ヶ所ある。今まで散々読み散らかして、4ヶ所ばらばらだった購買本を一ヶ所へ纏めてみると、私が持っているだけでも40冊くらいになっていた。私がバイヤーになった頃は、探しに探して一冊しかなかったが、ここまで増えてきたのはそれだけ以前にも増して資材調達・購買への関心が高まっている事だろうと勝手に思っている。まだ営業関係の本のボリュームとは比べものにならないけど。

最近そんな購買本に加わった本がこれ。

最強のコスト削減―いかなる経営環境でも利益を創出する経営体質への変革 [単行本]
栗谷 仁 (著), A.T.カーニー (監修)

目次はこうある

大幅なコスト削減が可能な領域「間接材コスト」

間接材コスト削減アプローチの全体像と要諦

費用項目別アプローチ1・印刷費

費用項目別アプローチ2・諸費

費用項目別アプローチ3・物流費

費用項目別アプローチ4・施設管理費

費用項目別アプローチ5・IT費用

費用項目別アプローチ6・メディア広告費

コスト削減プロセスにおいて求められるリーダーシップとプロジェクト運営

コストセンター子会社への対応

設備投資コスト適性化への適用

カウンターソーシング

確かに多くの企業にとって、間接材コストは、なかなかメスの入れ方が難しい。そんな中で、各項目毎に業界分析を行っている点は良いかなぁ~と思う。その点では、これまでの購買本には無かったアプローチだと思う。ただ、まぁその先を詳細に書いてしまうと、この本を書いた皆さんのビジネスが成り立たなくなってしまう為に、いきなり理想論へ飛んでしまう。帯には「実践的アプローチを公開」とあるが、具体的なアクションへの言及は乏しい。それは実際に問い合わせてくださいって事なんだろうな。

でも冒頭にある間接材コストへの認識は、実感として正しいと思う。本来的には競争を存分に行えるはずなのに、過去からの慣習に囚われて、何もできない状況。今、私が置かれている状況に他ならない。でも、状況を打破するために、こんな超一流のコンサルティング会社に仕事が頼めるか?と言えば、世の中の99%以上の会社は頼まないだろうな。この本を書いた目的も、残った1%に満たない会社へ営業するための道具だろうか?思えば資材調達・購買業界って面白い。絶対的な大多数である中小零細企業へアプローチを志向する様な文献がない。多くの本が1%に満たない部分へのターゲットを絞っている。きっと難しいんだろうな。無いなら自分でやるしかないけど、結構簡単じゃないんだな。難しい。でも、その部分へ切り込んでいかないと、大きく出れば日本の将来がない。

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