転職とバイヤーと(3)

転職とバイヤーと(3)

  ちなみにこの紳士は、その外資系企業の日本支社を立ち上げた。

現在は会社を作って活動しながら、海外にも買い付けに出かけ、一財産を築きつつあるという報告を受けた。

思えば、私はこのとき初めて「会社しない?」と、「カイシャ」というものを動詞として使えることを知ったのだ。

それまではちっぽけなバイヤーであった私にとって「カイシャ」は入るものであり、働く場所であった。

それを動詞として使えるとは!という驚きがあった。

そして、同時に、振り返れば「このときの決断が違っていたら、私の人生はどうなっていたのだろう」という疑問が出てくる。

そのとき私が住んでいたのは、何もない田舎だった。誰も、自分の活躍を見てくれていないとしか思えない僻地だった。

一体何のために購買をやっているのか?納期を追いかけているのか?全く分からなかった。

遠い砂漠で一人ぼっちになったようだった。

しかし、小さな改善と努力を重ね、少しずつ少しずつ活躍の場を広げたときに、見てくれる人がいる。

必ず、誰かはあなたの努力を見てくれる。

このことが確信に変わったとき、何かが確実に自分の中で起きた。

「私が住んでいるのは、田舎で、ほとんど活躍の場を与えられず・・・」と私にメールで書いてくる少なからぬバイヤーの方々がいる。

そういう人には、上の言葉を心から捧げたい。

バイヤーという業務を変えたいと信じ、少しでも前向きな行動を起こす人は、いつか認められるときがくる。

私は、その程度は楽観的でありたい。

加えて私は結構色々な決断をやりながら生きていたりする。全くそのような選択を迫られることがない人に比べれれば、おそらく私は幸せなのだろう(こともあろうか、私ごときをスカウトしてくれる方が何人かいる)。

ただし、おそらく道が違えばこのメルマガ関係の人たちとも出会っていないだろう。今後は分からないが、私は幸運なことにこれまでの決断を後悔したことはない。

それがよいのか悪いのか。一生証明できないままだが。

だけど、一つだけ分かっているのは、それでもバイヤーは前進だけはしなきゃいけないということだ。

「バイヤーは最高の業務を見せつけて、スカウトされてみろ!!」

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