重慶に降り立つバイヤー

重慶に降り立つバイヤー

重慶にやってきた。中国内陸に位置する中国重工業界の一大拠点だ。

この街は中国4つ目の直轄地である。北京や上海、広州と違って山間に街があり、風景だけを見れば日本の田舎に来たような錯覚を覚える。広東省や上海、北京の様に、著しい経済発展が日本で報道される機会が少ないので、日本人にはなじみが薄いかもしれないが、この地にも日系自動車メーカーが進出している。独特なサプライヤー戦略をとっていると噂されるメーカーが進出しているだけに、この地の自動車に関する産業集積は、相当なモノなのだろう。そういえば、私が以前勤めていた会社の競合メーカーも、この地に工場を持っていたっけ?

今回の訪問は、やっぱりサプライヤーの訪問が目的。重慶の空港から「死んじゃうかも・・・・・・」と思うくらいに飛ばすサプライヤーからの迎えの車に揺られること二時間、目的のサプライヤーに到着。日本で言うところの企業城下町なんてものじゃない。レストランから宿泊したホテルまで、全てに訪問先のメーカー名が冠されている。よくよく聞いてみると、この街に居る人は、全員が社員、若しくはその家族らしい。

訪問先へ到着して打ち合わせを始めた時にはわからなかったが、退社時間になって驚いた。一斉に人が工場から町に帰って行く。一定方向に全員が歩いている。ある意味壮観だ。この街の成り立ちが良く理解できた光景でもあった。

重慶は中国の軍需産業のメッカでもある。今回の訪問先でも、陸海空のみならず、宇宙開発関連機器の生産も行っているらしく、そんな製品を作っている工場には一歩たりとも立ち入ることができなかった。見せられないと言われると見たくなるのが人の常だが、でも今回は止めておいた。投獄とか、されても困るし。

今回の訪問では、民間需要を目的に作った新工場のチェックが目的。100年一度の不況などどこ吹く風?の如くに、まさに山を切り開いて新工場を造っていた。建設の描写として「切り開いた」のでなく、本当に山を切って、と表現するのが正しいのだ。

夕食は、訪問先とほぼ同じ名前のレストランへ。出てくる料理を見て、中国に初めてやって来た頃を思い出した。どんな材料を使用しているかわからない料理が多い。聞いてみると、牛の睾丸とかとんでもない回答が帰ってくる。そして何よりも辛い。ひーひー言う辛さでなく、何か口の中にズシン!とくる辛さ。辛いモノは苦手な私には、最後に出たジャージャー麺が、何よりも美味しく頂くことができた。

そして一晩明けて朝、何か大きな放送で目が覚めた。ラジオ体操?とも思える音楽で、たまたまホテルの部屋がスピーカーの近くになっており、前日「目覚ましはいらない」と言われた意味を理解した。そして出勤の大移動。昨日の夕方とは逆の光景が目の前にあった。打ち合わせ時間は、この人の波に飲み込まれないための配慮か、少し遅かったので、何かぼんやりとそんな光景に見入ってしまった。

朝ご飯は、ビッフェ・・・・・・でなく、どう見ても日本では夕食だろう?と思うようなメニュー。はぁ~そろそろ日本食が恋しいなぁ~

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