集中と分散に思うバイヤー

集中と分散に思うバイヤー

過去の新聞記事スクラップの中に、鶏肉調達先を分散させ、調達リスク回避を行う・・・との記事をみつけた。当時流行しつつあった鳥インフルエンザ発生へのリスク回避の一環であろうが、食品に限らず私の行っている機械部品の調達にも同じような考え方がある。

集中と分散、どちらにもメリットがあると思っている。

まず集中のメリット。規模の経済の作用により、コスト的なメリットの享受。品質管理の容易さ、又品質の均一化。

次に分散のメリット。まず一つの調達先に問題が発生しても代替手段を持つ事。又、ある意味で常に競合状態にある為、特に部品等の調達の場合には、双方に緊張感が生まれ、調達側には大きなメリットを生むケースもある。

今回の鶏肉の件は調達先に何らかの問題が発生した場合、規模のメリットよりも、調達先を失う事で、事業の存亡に関わるリスクを重視した為である。上記の集中と分散・・・これは一般論でどちらがベターでベストかと判断できうるものでなく、その置かれた環境を大きなファクターとして捉えてのみ判断可能となるのである。

もう一つ、時系列で判断する集中と分散。その2つの環境を相互に創出できれば、調達に有利な条件が見出せる場合がある。問題は集中の後に、分散環境を如何にしてうまく作れるか?この環境を構築する力は、私の仕事に対する判断では、非常に重要なバイヤーのスキルであると言える。そして、これは永遠のテーマといえるほどに、悩ましく面白いテーマだと思う。

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