【異論】アメリカファーストより酷いジャパンファースト

【異論】アメリカファーストより酷いジャパンファースト

*先日、栃木県の某社にお邪魔しました。グローバル企業として有名な企業
です。驚いたのが、積極的に外部から情報を集め、学習なさろうという姿勢
でした。すごいねえ。ひさびさに刺激になりました。私もがんばります。

ところで、トランプ大統領は「アメリカファースト」を叫び世界的な批判を
受けています。しかし、原理的に自国をファーストとしない国などありうる
でしょうか。私はあまり政治的な話を好みません。しかし、ここではかつて
の日本について「ジャパンファースト」であった事実を書きます。

まず先の大戦後に、日本は急速な復興を遂げました。そのとき、日本政府は、
「日本企業が輸出するのはよいけれど、外資が日本で入ってくるのはマズい」
と考えました。そこで1949年に外為法を作りました。これは、もともと
外資の企業を防ぐためのものです。土地の購入を禁止するだけではなく、送
金も禁止しましたから、外資が活動できるはずはありません。

そうしたところ諸外国からの批判が高まったため、外資法を作りました。こ
れは外資の出資は50%以下であることを条件に、「日本経済の健全な自立」
に寄与する際のみ、投資をしぶしぶ認可したわけです。これって中国がやっ
ているのと、どれだけ本質的な差異があるでしょうか。

もっとも60年代になると日本政府は外資を受け入れるようになりました。
ただし、意外に知られていないことに、利益の海外送金は禁止していました。
稼いだものは日本国内で使ってくださいよ、というわけです。凄いですよね。
私は、かつての日本は「ジャパンファースト」を徹底していた(笑)という
のは、こういった事情によります。

このあと1979年に海外送金を認めることになります。これでたしかに自
由な企業活動を認めたように見えます。

しかし、実際は、さまざまな非関税障壁を作りました。たとえば、多くの分
野で輸入制限を行ったり、インチ表記では輸入できず、センチ表記に統一さ
せたりするなど多くの「政策」が跋扈しました。

他国のひとにはほとんど理解できない「薬事法」「食品衛生法」「大規模小
売店舗立地法」などなどが、事実的に外資系企業の進出を防いできました。

私は相当、日本が好きな人間だと思います。しかし、それでも客観的に見て、
日本は「ジャパンファースト」を強力に進めてきた不公平な国だと思います。
これは良し悪しを、あえて差し控えます。ただ、客観的に見て、世界的にい
って公平になったのは、ここ10~20年ではないでしょうか。

そう考えると、日本のメディアが、「トランプ大統領は、アメリカファース
トといっている。けしからん」というと、どうも私は奇妙に感じてしまうの
です。これまで「ジャパンファースト」を至高としていたので、どっちもど
っちではないか、と思うのです。

誰かを一方的に責めて、自己を反省しないのは大人の態度と思えません。

実務家としてやるべきことは、相手を責めることではなく、変化を客観的に
見極めて行動計画を練ることです。「アメリカファースト」、いいではない
でしょうか。政治家であればいうかもしれません。では結果として、どんな
変化が起きるのか。

実務家としては、米国企業の国内回帰が起きれば、当然ながらサプライヤが
勃興するはずで、それに注目したいと思います。米国は原油の産出国となっ
たばかりではなく、LNGをもつくっています。いまや米国だけが、孤立を
選択できる特殊な国なのです。

むしろ調達・購買の態度としては、米国を積極的に観察していきたいと思い
ます。

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