5-(3) 決算書を読みこなす「決算書を見るときに」<P/L>

5-(3) 決算書を読みこなす「決算書を見るときに」<P/L>

P/Lとは、プロフィットアンドロスステートメント・損益計算書のことで、ある会計期間における企業の成績を表します。

1.売上高営業利益率=clip_image002
営業利益を売上高で割ることにより本業でどれくらいの儲けを出しているかを表現しています。これも業界により異なるため、業界内比較によりどこに位置する企業化を把握します。

2.売上高経常利益率=clip_image002[4]
経常利益を売上高で割ることにより計算されます。この経常利益率は新聞紙上でも最も報じられる指標の一つです。製造・販売に加え財務活動を加えた利益を表しています。

3.ROA(総資産利益率)=clip_image002[6]
経常利益を総資産で割ったものです。元手を使って、どれだけの利益を上げることができたかを見ます。収益性を見る上で、最も基本的な指標です。利益の大きさだけで評価するのではなく、貸借対照表を関連させてみることで効率性を見るわけです。

4.ROE(株主資本利益率)=clip_image002[8]
当期利益を自己資本で割ったものです。ROAとの違いは、株主資本を使ってどれだけ利益を得たかを見るということです。株主という立場から見た収益性を評価する指標であり、その企業の取締役の業績評価基準と考えてよいでしょう。バイヤーにとっては、サプライヤーのこの指標の良し悪しによって、「その企業の取締役の選任と解任が発動される可能性がある」という認識を持つことになります。

バイヤーはこれらの計算を実際に行うことはあまりありません。上場企業であれば、これらを表示してくれている情報サイトもありますし、各種指標の意味を知っておけばよいはずです。上場企業ではなければ、バイヤー企業が株を所有しているのでもない限り開示義務などないのが普通です。

しかし、重点的に管理してゆきたいサプライヤーであれば定期的に決算情報を入手できないか頼んでみましょう。信用調査会社に倒産情報を一任している企業もありますが、バイヤーが直に確認することに越したことはありません。

ここではバイヤーとして基礎的な知識を身に付けるという前提で「安全性」と「収益性」を紹介しました。深入りしようと思えばどこまででも勉強することのできる分野ですし、サプライヤーに対して各種経営指標の改善のためのコメントをしようと思えば、当然広い知識が必要となってきます。特にバイヤーはサプライヤーの決算書を見る機会が多いですから、ぜひ多くの企業を通じて学習を進めてみてください。

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