・冬休み読書案内

2010年はたくさんの本を読みました。冬休みとは、今年を振り返ると同時に、来年の計画を立てる貴重な時期です。また、勉強の機会でもあります。この年末年始の時間を上手く使うことは、ビジネスマンにとって重要なテーマであるはずです。

そこで、2011年を見据えて、かつ2010年の大切な本を俯瞰して「読書案内」としてみましょう。

・残酷な世界を生き抜くために

さらに混沌の度合いを深めようとする現代日本において、私たちはいかに考え行動すべきなのか。2011年に向けての4冊です。

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法
橘玲「おそるべき文章力。人生論としても一級」(坂口)

こう考えれば、うまくいく。
日垣 隆「現代日本でダントツ一位のライターの商売論」(坂口)

シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略
レイチェル・ボッツマン ルー・ロジャース 小林 弘人「2011年はSHAREを抜きにはできない」(坂口)

1円家電のカラクリ0円・iPhoneの正体―デフレ社会究極のサバイバル学 (幻冬舎新書)
坂口 孝則(これだけは自分の本ですみません)「逆転経済は2011年にも鮮明化するはず」(坂口)

・せっかくの年末なので骨太な題材を学びたいときには

2010年から2011年にかけて、せっかく時間があるのだから骨太な内容を読んでみたい、とおっしゃる方もいるはずです。そんなときのための4冊。

繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(上)
マット・リドレー Matt Ridley 「詳細なデータに裏付けられた、人類進化論」(坂口)

繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(下)
マット・リドレー Matt Ridley 「この筆力はそこらのライターをはるかに凌ぐ」(坂口)

リベラリズムの存在証明
稲葉 振一郎 「経済学者の書いた、最高の自由論」(坂口)

大衆の反逆 (ちくま学芸文庫)
オルテガ・イ ガセット Ortega y Gasset 「いまだ孤高の大衆文化論かつ知識人論」(坂口)

近代化の理論―近代化における西洋と東洋 (講談社学術文庫 (1212))
富永 健一 「たった一人で日本の近代化に挑んだ社会学者の名著」(坂口)

・スキルを磨くために

とはいえ、より具体的で即物的なスキルを身につけようとする方もいるはず。そこで、スキルを磨くための4冊も用意しました。

カーネギー 心を動かす話し方―一瞬で人を惹きつける秘訣
デール カーネギー 山本 悠紀子 「私のバイブルです(笑)」(坂口)

道具としてのファイナンス
石野 雄一 「ファイナンスを誰にでも使えるツールにする最強書」(坂口)

考える技術・書く技術 (講談社現代新書 327)
板坂 元 「私の書くという行為はここからはじまった」(坂口)

13歳からの反社会学
パオロ・マッツァリーノ「統計やデータ分析についてこれほど平易に解説した本はない」(坂口)

・2010年を振り返って

2010年最後の、Mー1優勝はスリムクラブですよね、絶対。笑い飯の優勝は、どこか事前決定の臭いすらしました。ただそれはよいとして、2010年の話でした。2010年はよく働きました。刊行だけでも、「1円家電のカラクリ0円iPhoneの正体」「レシートを捨てるバカ、ポイントを貯めるアホ」「調達・購買“戦略決定”入門」「会社のお金を学べ!」「会社が黒字になるしくみ」の5冊でした。その他に単発記事やインタビューなどは数えきれません。

私が2010年に試験的にやってみたことは三つです。

1.新聞を読まない
2.古典を読む
3.苦手な分野の仕事だけ受ける

でした。まず1.ですが、これまで私は日経新聞や朝日新聞などを愛読してきました。しかし、今年はあえて読まないようにしたのです。これによって、ほんとうに重要なニュースだけを特化して調べる時間ができました。ほんとうに重要なニュースであれば、新聞など読まなくても、誰かが教えてくれるものなのですよ。また、新聞で何を読んだかなどほとんど覚えていませんよね。だから、あえて狭く深く知識を身につけるためにやってみました。私は時事ニュース解説をしていますが、新聞を読まなくなって困ったことはありませんでした。2011年はどうするか思案中です。ただ、新聞情報から一歩引いてみることで、逆に情報を得ることができるのだ、と気づいた一年でした。

そして、2.です。2010年に改めて感じたのは「人生は有限である」ということです。流行りのビジネス本に籠絡されるのも良いでしょう。しかし、それらは時間の試練に耐えてきたものではありません。速報性は持っているでしょうが、この先何十年も読むに耐えうるものかどうかはわかりません。それであれば、すでにその耐性を備えた古典を読めばいいのではないか。私は学生時代に読んでいた、ウェーバーやマルクス、フロイト、フロム等々を読み返すことにしました。これがなかなか面白いのですよ。現代をテーマしているかのような「親近感」すらあります。古典を読め、とは2011年に私がみなさまに伝えたいテーマでもあります。

また、3.は無責任に思われるかもしれません。私はどちらかといえば、自分が得意なテーマの仕事のみを引き受けていました。しかし、2010年はあえて自分が不得意なテーマのみを引き受けることにしました。たとえば、「1円家電のカラクリ0円iPhoneの正体」は、マクロ経済学的な社会評論です。ミクロではなく、マクロ。なぜ現在はデフレで出口のない不況に苦しんでいるのか。私は経済学者ではないのですが、一人の生活者として日々考え、確信を持っていることを結実させました。また、「レシートを捨てるバカ、ポイントを貯めるアホ」は個人の節約術です。コスト管理の手法を個人に適用できないか、そんな編集者の軽い投げかけからはじまった本書も、私の範疇外でした。しかし、それをあえて引き受けることで、新たな思惟のきっかけになりました。TV出演も、どちらかといえば私の範疇外ですよね。ただ、これらの未知の仕事を引き受けたことで、確実に人生が拓けてくることを実感しました。

来年は、飯田泰之先生(駒沢大学)との対談からはじまり、さまざまな情報発信を続ける予定です。不況だ、民主党がアホだ、日銀がバカだ、と言い続けてもどうしようもありません。人は、自分ができることをコツコツやって、少しでも社会に貢献していくしかない、と私は思います。

社会は毎年、必ず良くなっています。その確信だけは、私のなかにあり続けています。みなさまにおかれましても、より良い年になりますように。


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