12月に今年2回目の海外出張が決まりました。行く先は、私が以前勤務していた会社から現在の会社へ転職する際に、一ヶ月ほど休みをとって期間限定で滞在した街です。

その街に滞在していた頃は、それまで5年間継続していたブログも、更新を止めていました。せっかく会社を変るのだから、一旦いろいろなものをリセットしておきたかったんです。いろいろなことを日々考えていました。バイヤーとしての自分や、これからの人生について。そして、帰国後に最初に書いたものが以下の文章です。

● 生まれて初めて買ったものを覚えていますか?

私が伝えたいこと、それは

「生まれて初めて買ったものを覚えていますか?」

そして、

「買い物って、そもそも楽しいことではないですか?」

ってことです。依存症になるくらいです。だからきっと楽しいはずなんです。

生まれて初めて買ったもの・・・・・・残念ながら何を買ったのか?覚えてはいません。でも自分の記憶を辿ってみると思い出される、ある買い物がありました。それは遠足へ持参するおやつです。

遠足の前日、友人と連れだって、近くの商店街のお菓子屋に行きました。遠足は学年全体か学校全体なので、お店は小学生で一杯。私は200円を握りしめ、どんな御菓子を買おうか?いろいろと思いを巡らせ、自分で選んでは、友人の選択に翻弄され、もう一回選び直す・・・・・・そんな事が思い出されました。とても楽しい思い出です。200円という限られた金額の中で、いかにおいしく、量的にも満足できる、そんなワガママな組み合わせを一生懸命探していました。

これは、私だけの思い出か?買うことを職業としているバイヤーの友人達に聞いていました。その中では、

「遠足そのものよりも楽しかった」

そんな風に語る友人もいました。この話題はバイヤー以外の友人に話をしてもかなり盛り上がるネタでした。ちなみにある年齢を境にして、購入可能金額が変ることもわかりました。

私は「買うこと」を仕事にしています。当然周囲にも買うことを仕事にし、日々どうやってうまく買うか?について探がし求める仲間がいます。そんな仲間達に触発され、私自身も「買う」とは?について日々考え、買うとは一体何なのか?を探し続けています。このブログを書き始めるときにも「日々どうやって上手く買うか?」について考えていました。そして遠足のおやつの買い出しでおこなっていた試行錯誤を考えながら、

「買うことは、本来楽しいことではないか?」

という事にたどり着いた訳です。

そして、ふと今自分が行っている「買う」を考えてみます。残念ながら、心から「楽しい」と言える状況ではありません。予算があったり、納期、品質の問題があったり・・・・・・仕事はなんでもそうですが、大変です。周囲を見回してみても、思い悩んでいる友人・同僚の姿が目に浮かびます。まさに一難去らずにもう一難・・・・・・不幸にも今「買う」事は楽しくないかもしれません。そもそも「買う」という、楽しくあるべき行為を仕事として行えるにも関わらず、なぜなのでしょうか?

「これから、起きている時間の少なくとも半分、そう考えれば一日の半分を仕事に費やすんだから、面白おかしく仕事をしよう」

この言葉は、社会人になりたての私に上司が贈ってくれた言葉です。それ以来ずっとこの言葉を自分の中で繰り返しています。口にも出して同僚にも話をしています。そして、どうやって面白おかしく仕事をするかを一生懸命考えています。だって、一度しかない人生です。面白おかしく生きなければ充実した人生などあり得ないと思いませんか?私はこのブログの中で、素晴らしい上司から贈られた言葉と、自分のバイヤーという職業を掛け合わせて、どうやって買うことを楽しむのか?を追い求めてゆきたいと思っています。

「遠足のおやつと、バイヤーの購買は違うよ」

そんな風に思わないではありません。例えばバイヤーにとって「予算」とはもっとも忌々しい存在であるかもしれません。でも、遠足のおやつを買うことを楽しい思い出にしてくれたのが、私の場合「200円」という制約ではないかと思っています。限られた予算の中で、自分にとって最適な組み合わせを考える。これでいいや♪と思っても、友達が手に取っている御菓子がとっても魅力的に思える・・・・・・でも、それを買うためには、今の自分が選んだものをいくつか諦めなければいけない・・・・・・そんな試行錯誤が、強い印象を残す事に繋がっているんだと思います。私はどんな御菓子を買ったか?は覚えていません。しかし、その混んでいたお店と、とっても楽しかった事は強烈に素晴らしい思い出として残っています。最近の子供達には、遠足のおやつも金額的な制約はなく、

「食べられるだけ」

と言われるそうです。予算というか制限があった私と、食べられるものを好きなだけ持って行って良い今とどっちが良いのか?人それぞれだと思いますが、私は限られたお金との制約が、より一層記憶を鮮烈にした気がしています。何か制約や障害があった方が面白くなるもの・・・・・・そんなものがいろいろあることは、ご理解いただけると思います。時に人は、より困難な道を選ぶこともありますよね?もっと楽な道もあるのに・・・・・・

我々バイヤーは、品質の良い製品を、希望通りの納期で、少しでも安価に買うことを求められます。私はその中に「楽しむ」を入れたいと思います。具体的にどう「楽しさ」を取り入れるのか?それは私が仕事を続ける限り追い求める終わりなき旅だと思っています。最初は少しでも多く笑うといったことでも良いと思っています。バイヤーとは何か?と同じように

「どうやって「買う」を楽しむのか?」

をバイヤーである限り、追い求めてゆきたいと思っています。そして終わりなきバイヤーとしての旅の紀行文をこれからも書いてゆきたいと思います。


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