中抜きへの挑戦~商社の価値・有効性を見極める 2

中抜きへの挑戦~商社の価値・有効性を見極める 2

前回は、有効的な商社の活用方法について述べました。

それでは、改善した方が良い商社との関係にはどのようなものがあるでしょうか。

商社からの購入の是非を見極めるには、その商社に付加価値を提供する意志があるかどうかを見極めなければなりません。一番簡単なのは、商品を右から左に流すだけの手数料ビジネスを行なう商社との関係は、まず見直すべき対象になります。

前回挙げた3つの有効な商社との取引から外れる場合は、すべて見直しの対象と考えなければなりません。「見直し」とは、別の調達ソースへの変更です。これは、手数料ビジネスだけで食ってきた商社には反発の強いアクションです。したがって、現在取引をしている商社の持つ力を見極めなければなりません。

具体的には、その商社の先にある企業との関係の強さを見極めます。ベースとなるのは、商社の営業担当者からのヒアリングです。また納期面や品質面でトラブルが発生した場合の対処で、商社の持つ影響力を推し量ることも可能です。

もし、これまで取引を行なっていた商社に、別の調達ソースへの変更を申し出た場合、「商権」といった言葉を持ち出して反発される場合もあります。商社との取引を見直すのは、この販売側の論理である「商権」との戦いでもあります。取引の見直しを行なう場合、その発端は調達購買担当者の思いつきであっても、商権との主張に対処するためには、見直しを行なうための根拠が必要です。しかし、それはこれまでの取引上の不手際を挙げれば事足ります。

また、このような取り組みは安定供給にも影響を与える場合があります。しかし、これは商社と、その先の調達ソースの関係を見極める事で抑止が可能です。

調達購買部門にとって購入量とは大きな力です。これまでも取引を行なってきたからとの理由だけで、漫然と購入を継続するのでなく、購入量がより大きな影響力を持つように価値を拡大させることも、調達購買部門の重要な責務なのです。

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