海外調達比率の罠

海外調達比率の罠

先日、あるメーカーの人と話をした。いまでは「海外調達比率」あるいは「現地調達比率」を管理指標(KPI)に設定されることが多いという。そこで私は皮肉交じりに訊いてみた。「あれ、数年前に海外調達プロジェクトが立ち上がって、結果はそれなりの成果だたんじゃないですか」と。すると、「そうだ、日本の会社においてプロジェクトは失敗することは許されていない。だから、いつでも『成功』したことになっている」と。

彼の会社では、3割だった海外調達比率を「大幅に引き上げた」と対外発表したのだった。それなのに、再び「海外調達比率の向上?」。私は訝しげに訊いてみた。「おいおい、どうせ内部のことはわかっているんだろうから、あまり訊かないでよ」と彼は言っていた。

日本企業の海外調達比率の集計は、多くの場合「調達・購買部員の自己申告」による。インボイスを確認すればよいではないか。しかし、それでは間接輸入などのカウントができなくなるというのだ。あるいは、材料のように組み込まれたもののカウントができないと。

そのような要因が複雑に絡み合って、今のような「自己申告」による海外調達比率集計になってしまったのだろう。しかし、逆にいえば、それは「いくらでも恣意的に操作できる数値だ」といっているに等しい。

これまで海外調達比率3割だったところ、半年後には5割になっている。そんなことがあるのだったら教えてほしい。明らかに報告する側の意図的な数値操作ではないか。そんな簡単なことすら指摘されなかった。

私は思う。

KPIとしての海外調達比率、あるいは現地調達比率を設定するのは良い。しかし、せめて「海外からの直接輸入」のみを増加分としてカウントするべきではないかと。そうしないと海外調達比率の実際の伸びは闇に消えたままだ。まさに「自己申告」の「深刻」が出来してくる。

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