自分はアホだと知ることからはじまるグローバル調達

自分はアホだと知ることからはじまるグローバル調達

先日、衝撃的な場面に立ち会いました。某企業での国際会議でのことです。
まず日本の調達部門がプレゼンテーションを実施しました。それは、簡単に
いうと、「グローバル化が進むなか、日本の技術や経験を活かしてくれ」と
いったものでした。最後に、冗談交じりに「お・も・て・な・し」とやった
そうです。説明するまでもなく、滝川クリステルさんの真似ですよね。東京
オリンピック招致のときにプレゼンした、あれです。

その意図は、日本人は訊かれたらちゃんと知識も教える「お・も・て・な・
し」の心をもっているんだ、だからなんでも訊いてね、ということだったわ
けですね。その意図は完全に善意からのものです。日本人のプレゼンターに
なんら悪しき感覚はありませんでした。私が驚愕的だったのは、そのリアク
ションです。ほとんどの外国人マネージャーが、その「お・も・て・な・し」
っていうのを止めと、といっていました。

その「お・も・て・な・し」っていうのは、ほんとうに酷い。ひとを馬鹿に
しているとしか思えない。なんだそれは。これは内部会議だから大丈夫かも
しれないけれど、外部の人間にはそんなことをいうべきではない。そういう
リアクションでした。衝撃でした。

では、外国人のマネージャーたちはなぜ、そのようなリアクションだったの
でしょうか。

簡単にいうと、「お母さんが、幼い子供をあやすような感じ」しかないから
です。もっというと「劣る者へ、上位者が侮蔑の眼差しを投げている」とい
う風にしか感じられないというのです。これは、日本人が「お・も・て・な
・し」によって東京オリンピック招致を実現したと勘違いしているのとは、
あまりに対象的ではあります。

さらに訊いてみました。どうも、言葉を一つひとつ区切って語る話しぶりは、
相手に失礼のようです。私も気をつけようと思います。なお、「お・も・て
・な・し」のジェスチャーで東京オリンピック招致をした事実を知るマネー
ジャーは一人しかいませんでした。「そんなことやったら逆効果だろ」とも
いわれました。実際に、私は、このことがあまりに気になってしまい、東京
オリンピックで実際に滝川クリステルさんを追いかけて取材したひとに話を
聞きました。プレゼン開場にまでわざわざ足を運び、その場の反応を確認し
た日テレの記者です。

彼いわく「正直、滝川さんがプレゼンを終えたとき、『なんだかなあ』とい
う雰囲気だったのはたしかです。とくに外国人記者の反応はゼロでした」と
のことでした。メディアが、とくに日本では『お・も・て・な・しによって
招致を成功した』と語るのとはギャップがありますね。私は、こういうよう
に、国内の感想だけを集めずに、対外的な感想をも意識せねばならない、と
思うのです。それがきっと真のグローバル化につながるのではないか。そう
思って、これを読んでいる調達・購買担当者にもお伝えします。

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