部下が「鬼」とならねば上司は動かず

部下が「鬼」とならねば上司は動かず

「上司が「鬼」とならねば部下は動かず」という本がある。私はこの本を読んだことがないので、内容についてどうこう言うことはできない。
しかしながら題名だけを見たとき、正直むかっときた。私もマネージャー職についていたので部下を持って仕事をしたことがある。鬼となって部下を動かすというのも時には有効なのだろうが、少なくとも私にはこのアプローチはベストとは思えない。
学生スポーツの指導者が、若くてがむしゃらな時はチームがあと一歩のところで勝てなかったが、少し学生に自主性を持たせて任せてみたら、勝てるようになったという話を良く聞く。ずっと以前愛読していたアメフットの雑誌「タッチダウン」に関西学院大学の武田健先生の文章が連載されていたが、この方のコーチ哲学も確か「民主的リーダーシップ」というものであったはず。それも心理学者として有名なこの方が、かなりコーチとして経験を積んだ後にたどり着いた結論だったはずだ。
私なりにマネージングの経験を積んでたどり着いたスタイルは、タイトルの通り。部下が何か主体性を持って判断しないかぎり、こちらは動かないというものだ。ただこれだけだと、組織として目標を達成できない危険性が高い。それを防ぐためには、組織の目標をうまく部下に自分の目標として理解させ、そのためのアプローチをしっかりと考えさせなければならない。任せておいて良いレベルは部下それぞれによって違うことも、こちらがしっかり把握して、指導方針を変えて行かなければならない。
はっきり言うと、あれも違うそれじゃだめだと言い続け、俺の言う通りにしろとする方が、よっぽど精神的にも肉体的にも楽な組織運営方法だと思う。しかし主体性を持って考える部下を育てる方が、手間はかかるが強力な組織をつくるベストなアプローチだろうと思う。次代の上司を育てる意味でも有効なはずだ。
しかしながら一つだけ問題が。どんなアプローチをしてもやる気にならない部下というのは残念ながら現実に存在するのだ。こういった人が出てしまうのはその人の資質なのか、それともこちらのアプローチに問題があるのか?
私の結論は揺れ動いていてまだ出ていない。

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