非大量生産時代のコスト削減方法

非大量生産時代のコスト削減方法

さて、現在、カーシェアなど、シェアリングエコノミーの流行があります。
つまり、みんなで共有すれば、無駄な固定費かからずに済むよね、というも
のです。シェアについては、私が5年も前に調達・購買の集まりで指摘しま
したので、個人的にはいまさら感があります。しかし、重要なのは、シェア
リングエコノミーによって、生産者側は、生産数量が激減することなのです。
ここに重要点がありますが、なかなか理解しているひとはいません。

とすれば、これまで100万台生産していた自動車は、10万台ていどにな
ってもおかしくないのです。ここで、量を武器にしていたコスト交渉は、完
全に終焉をむかえるでしょう。だから、私はずっと前から、原価の積み上げ
や、価格査定などに注力してきたのです。

たとえば、みなさんの調達部が、相見積りだけで決めていようが、価格査定
をしていようが、量が減ることによって、サプライヤの原価に変化が起きる
のは間違いありません。もっとも影響を受けるのは、加工と金型(償却)の
部分です。加工では、段取り替え時間がもっともコスト構成を占めることに
なります。そして、一個あたりのコストが増加するわけですから、金型の査
定がもっとも重要になってきます。あるいは、金型を使わずに生産してもら
うのか、といった合理的判断が重要です。

これは、理屈上そうなる、という話です。重要なポイントが変わってくるの
です。さて、非常に困ったことに、段取り替えと、金型価格の査定というの
は、どんな調達・購買担当者も苦手にしています。しかし、ここをクリアし
ないと、非大量生産時代にはコスト削減ができません。

非大量生産時代においてコスト削減で重要なことを、最近、ずっと考えてい
ます。そこであらためて思いついたのですが、段取り替えの削減と、金型価
格の査定が重要です。これは二つの意味を含みます。つまり、査定して、最
適な時間や価格をサプライヤと交渉する能力であり、かつ、サプライヤを指
導する能力です。

これはまさに生産エンジニアの知識が必要となる時代です。もちろん私は今
後、これらの知識をみなさんに披瀝できるよう商品化の途中です。

そして、もうひとつ考えたことがあります。「非大量生産」といっても、一
部のメーカーには当然のことではないでしょうか。つまり、私がかつていた
重電の企業は、個別生産が当然で、大量生産なんて、もともとありませんで
した。だから、非大量生産といわれても、当たり前じゃん、なわけです。

大企業であれば、いくつかの事業部を抱えているところがあります。ある事
業部は大量生産、でも、ある事業部は非大量生産のケースがあります。その
ようなとき、実は、自社内で勉強会を開催すれば、いろいろなコスト削減手
法が出てくるはずです。それまで、大量や微量でわけられていた調達概念が、
おなじ生産量に移行していくのです。その際に、自社内のリソースを活用し
ないテはありません。

新たなコスト削減のヒントは自社内にあり。みなさんも、有志でまずは集ま
ってみたらどうでしょうか。真剣な提案なのです。

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