2016年の調達を読み解く

2016年の調達を読み解く

韓国には京釜(キョンプ)鉄道があります。これは釜山(プサン)からソウ
ルを経由して、板門店までつながっています。ご存知の通り、朝鮮半島の南
北をわける38度線ちかくの街です。そしてこの鉄道は、北朝鮮の開城(ケ
ソン)から中国の丹東にいたっています。そして、さらにロシアからヨーロ
ッパに抜けていきます。

「いやいや、しかし北朝鮮の反対によって、つながっていても活用はされて
いない」と反論があります。たしかに敷設しているものの、試運転は北朝鮮
側が断っています。それに南北緊張はずっと高まっているように報じられて
います。

しかし、日本でなかなか知られていないのは次のことです。北朝鮮の開城に
は工場団地があります。そこには120社以上の韓国企業が進出しています。
そして、すでにその工場団地では、南北労働者が一緒に働いています。南北
をわかつ38度線はあるのですが、現実的にはすでに労働者が行き来してい
ます。グーグルアースでは軍事的緊張をよそに、ロジスティクスは発展しト
ラックが行き来する様子が見られます。

釜山は24時間の港ですから、日本よりも発達しています。日本からむしろ
釜山に出し、そこから世界に出したほうがよいくらいです。韓国は現在、九
州に海底トンネル設置を呼びかけていますが、それは韓国がアジアのハブを
狙っていると示しています。

現在、北朝鮮が崩壊するタイミングについて予想混じりに騒がれています。
と同時に考えるべきは、北朝鮮の可能性についてでしょう。ロシアとヨーロ
ッパを中国がつなぎ、そして中国の出口戦略として北朝鮮・韓国釜山ルート
が開通したとき(しかも繰り返すと南北融合は経済領域ですでにはじまって
います)、そこから北米へのルートが完成します。驚くべきことに、北朝鮮
が核実験をしたあとも、制限はしているとはいえ、開城工場団地は継続して
います。政治と経済は別物なのです。

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