近年では夏期休暇の分散化が進んだとはいえ、一昨日の土曜日から夏休みという方も多いのではないでしょうか。なかなか明るい話題が少ない中ではありますが、読者の皆さまには、海や山、国内だけでなく海外へと足を伸ばして、英気を養って頂けたらと願っております。

いろいろな雑誌で、夏休みに読む本の特集が行われます。今回は、ちょっと趣向を凝らして、一風変わった読書案内を行ってみます。趣向とは、

1.ブックオフに代表される古本屋に多く置いている本

2.ブックオフであれば、¥100で。アマゾンのユースドであれば、¥100以下で入手できる本(別途郵送料は必要です)

3.安価に入手できるため、読んだ後に書いてあることを行動へと移した場合、レバッジ効果が大きくなる

の3点です。私も本を執筆しており、著者という立場で古本を薦めるのはどうか、と思います。しかし、街の至る所に古本屋があるので、それを活用しない手はない!という読者・消費者の観点で、あえてご紹介します。尚、私の自宅に近いブックオフには、以下の書籍はすべて¥100で販売されていました。内容の御参考にアマゾンへのリンクをつけています。

● 交渉力を向上させたい 

~ハーバード流交渉術 イエスと言わせる方法

フィッシャー&ユーリー/金山宣夫 浅井和子訳 

三笠書房 知的生きかた文庫 ¥495

http://amzn.to/cotDwN

この本が日本で始めて出版されたのは1982年、いまから約30年も前のことです。しかし、米国系企業の交渉力養成の研修では今でもテキストとして採用されています。そして、原典名Getting Yesとして英語版も購入可能です。また、iTuneではオーディオブックも入手可能です。

私個人としては、交渉とは準備で決まると確信しています。しかし、バイヤーは準備ができていない状態で、いきなり交渉に臨まなければならないこともありますよね。そんな時の為に、いわゆるセオリー本に書いてあることを身につけることは意義深いわけです。交渉論については、この安価な本ですべてが事足りるといっても良いくらいの好著です。

● 文章力を向上させたい

~考える技術・書く技術 (講談社現代新書 327) 板坂 元 (著) ¥777

http://amzn.to/awlHUF

同じ名前で、ワークブックまである有名な著作があります。しかし、内容的には負けない、逆に濃い内容ではないかと思うくらいです。そもそも考える技術を外人に教わるのはどうだろう~という日本人としての反発を覚えながら、高い方の本を読んでいた私には、目からウロコの本でした。

今更申し上げるまでも無いですが、プロの書き手でなくても、文章を書く機会は飛躍的に増加しています。公私ともに、メールでコミュニケーションしますよね。その際には、5章、6章だけでもお読みいただきたい。きっと皆さんにも参考となる部分が必ずあるはずです。

● プレゼン力を向上させたい

~プレゼンテーションのノウハウ・ドゥハウ

HRインスティテュート著/野口吉昭編 PHP文庫 ¥571

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先ほどの考える技術とは逆で、そもそもプレゼンするという考え方が海外からのものです。従いこの分野については、本家に学ぶべきですよね。私はプレゼンが苦手なので、この類の本を目にすれば、必ず購入しています。最近では、DVDが一緒になった本が売れていますね。実際に、素晴らしいプレゼンターの行うプレゼンを見るのも非常に効果的な学びです。しかし、今回オススメのこの本は、プレゼンを3つのスキルに分け、それぞれを向上させる方法を説いています。人前で話をする上で必要なセルフコントロールや呼吸法にまで言及した本はなかなかありません。今、ビジュアル全盛の時代にあって、プレゼンのそもそも論を再確認させてくれた、そんな本です。

● 組織の活性化をしたい

~100億稼ぐ超メール術 1日5000通メールを処理する私のデジタル仕事術

堀江 貴文 (著)中古 ¥1

http://amzn.to/aN7CPv

これは、ライブドアで著者が破竹の勢いを持っていた頃に出版された本です。その後の著者のたどった経緯は別にして、この本に書いてある内容を、メール術としてでなく、身近な仲間同士のコミュニケーションを通じて、組織の活性化を行うノウハウとして活用することをオススメしたいのです。

上場企業の社長で、この本に書いてあるように、全社員の日報をメーリングリストで流すようになると、メールの受信数が5000通にもなるのでしょう。しかし、読者の皆さんのメール受信数はどの程度でしょうか。意図せず目に入った上司のメールボックスが真っ赤(=未読ばかり)で、きっと自分のメールは読んでくれていないな、と落胆した経験は、誰しもが持っているはずです。そして、メールが読み切れないと嘆く声は、どこでも聞くことができます。それでいて、業務改善や目標設定の時に必ず挙げられるテーマが「コミュニケーション」だったりしますね。私は、貰ったメールはすべて目を通して、内容を理解す ることから始めればいいのに、と思います。受信ボックスが真っ赤な人が必ず言う言葉に、会議続きで時間がないがあったりします。 しかし、それは時間がないのでなく、メールを読む能力がないだけです。能力の無さを時間の無さという理由にすり替えているに過ぎないのです。

確かに、メールのやり取り味気ない部分もあります。しかし、数行の内容を工夫すれば随分味気なさも改善されます。そんなノウハウがこの本には詰まっています。そして、メールを使用している企業であれば、ほとんど追加コストなく実践できる事ばかりです。メール術でなく、自分が所属する組織の活性化策として導入するのです。

ちなみにこの本の続編( http://amzn.to/cRnZCk )が登場しています。続編では、iPhoneを活用する場面が多く書かれています。仕事でiPhoneを組織的に活用できる企業も少ないでしょうから、あえて前の本をお薦めするわけです。

● 無駄な会議を無くしたい

~ファシリテーション革命 (岩波アクティブ新書) [単行本]中野 民夫 (著)

http://amzn.to/cChgwj

サラリーパーソンにとって「会議」も大きな悩みの種ですね。確かにテーマは違うけれども、一日にいくつもの会議があると、自分の仕事は進まないなんて問題に苛まれます。

多くの無駄な会議に共通して言えること、それはファシリテーションが行われていないためです。ファシリテーションとは、ウィキペディアには以下のように書かれています。

ファシリテーション(英: Facilitation)は、会議、ミーティング等の場で、発言や参加を促したり、話の流れを整理したり、参加者の認識の一致を確認したりする行為で介入し、合意形成や相互理解をサポートすることにより、組織や参加者の活性化、協働を促進させる手法・技術・行為の総称。( http://bit.ly/9pxzZe より引用)

ファシリテーションが効いていない会議とは、テーマってなんだけっけ?だったり、そもそも討議している内容がスリップしたりします。ブレストであれば、いろいろなところへ話が飛ぶのは歓迎すべきですね。しかし、そもそもテーマや、ゴールが不明確で、時間を費やしただけの効果のない会議ほど無駄なモノはありません。

実際に会議への出席は、すべてが主催者としてではないでしょう。しかし、この本を読むことで、テーマをぶれさせないとか、テーマそのものを明確にする方向へ自分の発言をコントロールすることができます。ただ漫然と勤務時間を費やして、気がつけば今日も残業といった事だけは、夏休み明けには避けたい。そうは思われませんか。

以上、ご紹介した5冊。私の家の近くのブックオフにはすべて¥100で在庫されていました。どれも日々の業務に効いてくる本ばかりです。そして価格も安く、文庫や新書なのでとても手軽です。内容的にも、価格的にも高いレバッジ効果が期待できるモノばかりです。ぜひ、夏休みのお供に。

● 最新の調達・購買理論に触れたい

そして最後に、自著の紹介をさせていただきます。

調達・購買“戦略決定”入門 (B&Tブックス) [単行本]
坂口 孝則 (著), 四宮 知之 (著), 牧野 直哉 (著), 倉布 惇 (著)
http://amzn.to/bP8TrX

実際にお読みいただいた方から、多数お褒めのお言葉を頂いております。上記にご紹介した本のブックオフ価格よりも20倍高いですが、他の資材調達・購買本では書かれていない内容ばかりです。自画自賛ですがオススメの一冊です。

毎日酷暑が続きますが、穏やかなお休みをお過ごしになることを心から祈っております。


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