年末も押し迫って、あと数日で2010年を迎える。100年に一度といわれた不況の真っ只中にあった年だが、読者の皆様にはどんな一年だっただろうか。不況と言うキーワード以外でも、新型インフルエンザの流行や、既に少し色あせた感のある政権交代劇、あっという間の一年といっても、いろいろな事が起こった。

バイヤーとして個人として、良いことも、そして好ましくないことも起こった一年。きれいサッパリ年忘れをおこない、新たな気持ちで新年を迎えることができる方法をお伝えする。ペン一本とA4の紙が一枚あればできる。方法は次の通りだ。

1.A4の紙を、横に使用して目測でいいので三等分に折る

2.まず左側に、次の項目で思いついた内容を書き記す

(1)失敗したこと

(2)残念だったこと

(3)できなかったこと

3.次に真ん中に、それぞれの項目に対して以下の要領で書き加えてゆく

(1)失敗した理由

(2)残念と思った根拠

(3)具体的にできなかった光景

4.最後に右側を埋める

(1)失敗しないためにはどうするか

(2)残念と思わないためにはどう考えればいいのか

(3)できるためには何をするか

5.全て書き終わったら、一番右側の部分とそれ以外を切り離す

6.左と真ん中部分は、自分の思いついた方法で捨てる

書くときのルールは次の通りだ。

(1)一番左側は自分の経験や、事実を、主語は自分でなくとも良いから書く。話の分からない上司、先輩でも、使えない部下、後輩でも、自分に厳しい家族でも何でもよい。自分勝手に主観的に思いを紙にぶつける。少々言葉が汚くても、誰も読まないのだ。鬱憤を晴らすつもりで、とにかく書き尽くす

(2)真ん中の欄は、冷静さを持ってまず考える。その光景や、状況を思い返して、当事者でなく第三者的に、その理由を考え、書き進める

(3)一番右を書く際のルールは一つ、「僕は~」「私は~」とにかく主語を自分にする。思いっきり机上の空論でもいい。到達できない理想論でも構わない。「こうだったらいいなぁ~」を思う存分書く

そして、最後どう捨てればよいかについて。私の場合はお守りやお札と一緒に神社へ持っていったり、ビリビリに破いたりといろいろ試している。とにかく思いを絶つ為に一番の方法を探して頂きたい。私が一番断ち切れた捨て方は、灰皿で燃やして、その燃え盛る炎をじっと見つめることだった。火の取扱には十分注意した上で、燃え尽きるまで見届けることで、なにかその年が振り切れた気がしたのである。書く内容は、別に仕事に限った話ではない。ぜひプライベートな部分にも言及して、できれば家族やパートナーと一緒におこなっていただきたい。内容はお互い秘密にしたとしても、捨てることだけは一緒におこなうのがよい。新たな新年を迎える気持ちを共有するためだ。

実際に書いて頂くとご理解いただけるのであるが、これは年忘れ!といいつつ、自分史から学ぶという次の三つのプロセスから成り立っている。

① 一番左の欄:主観

② 真ん中の欄:客観視

③ 一番右の欄:ありたい姿

一番左側の欄は、是非今年の手帳や、スケジュールを見直しながら、思ったことを思うままに書き連ねてゆく。オススメは、今年一年のメールボックスを見直してみることだ。誰が読むわけでもないし、ネット上で発信するわけでもない。最後には捨ててしまうのだから、おもいっきりネガティブな表現も、この場限りで大歓迎!として、とにかく自分の経験を活字にすることに重点を置くのである。

というのも、別にセミナーに参加したり、本を読んだりしなくても、日々の他人とのかかわりの中だけでも、学びを得ることは可能だ。毎日の繁忙に追われて、一日ごとに通り過ぎていく出来事をじっくり考えることなど無い。そんな中、年末という一つの区切りで思い出す出来事は、それなりに自分には大きな事なのだ。自分に大きな出来事とは、

● 関心あるテーマ

● 惹かれている人

● 興味あるモノ

が関係している。自分の記憶に残っていることで、おのずと取捨選択がおこなわれている。そんな重要な出来事をそのまま捨て置くのは、もったいないのである。

そして真ん中の欄では、少し冷静になって考えてみる。左の欄では、本能に任せて書き連ねたことも、少し筆の速度が落ちることを実感するはずだ。ここでは、是非そのペンの進みの遅さを許容して欲しい。人間は自分を客観視することが一番難しい。しかし年に一度と割り切って進まない状況から逃げないで欲しいのである。幸いにして、年末年始の特別編成のテレビ番組は決まって面白くない(当社調べ)。自分が経験したことから、なぜそう思うに至ったのか、その原因を見出していただきたいのだ。

そして、一番右の欄。ここでのルールは、主語を自分とすること。ここまで実践してみると、実は一番左に書いたことから、真ん中でその原因を見出せた内容と、それにともなった記述も、ボリューム的にはかなり減っていないだろうか。そんな状態でも一向に構わない。なぜなら、このプロセスでも取捨選択がおこなわれているのだ。そして最後に自分を主語にして、理想を掲げる。これは毎年の様に、会社の上層部から押し付けられる到達不能な目標とは異なる。自分でつむぎだしたものだ。そして、実はこれまでの過程で、書くべき内容は示されている。要は、その表現方法を

1)自分基点

2)ポジティブ

に変換するだけの作業なのだ。

一番右側には、いくつ位のセンテンスが表現されただろうか。これは、どんな自己啓発本にも掲載されていない、まさに自分で紡いだ2010年に自分が進むべき方向を指し示している羅針盤となっているはずだ。センテンスが多ければ、「どうしたいか」自分本位で優先順位をつければよい。逆に少なければ、それぞれの項目を確実に実現し、理想へ近づく方法を考える。理想論を掲げた故に、実行に移すには具体的なアクションプランが必要かもしれない。でも誰から押し付けられたものでもない、自分で見出した理想をベースにして、自分にしか適用できない成長戦略を描くのも面白い。

ぜひ、ついでにこちらも見てください!クリックして下さい。(→)無料で役立つ調達・購買教材を提供していますのでご覧ください

mautic is open source marketing automation