これからの調達の話をしよう

これからの調達の話をしよう

先日、若手ビジネスマンたちの意識調査を読んだ。「仕事が嫌い」「自分の仕事に誇りを持っている」「自社が好きだ」という項目のどれもが、アメリカのそれよりも圧倒的に低かった。

これはどうしたことだろう。アメリカよりも、日本人は仕事好きだったのではなかったか。また、愛社精神なるものをもち、猛進するのが日本人の姿ではなかったのか。

どうやら違うらしい。日本人の勤勉な姿はもともと虚像で、実は日本人は「いやいや」会社で働いていたことが明らかになっている。

たぶんそうだろうな、と私は思う。日本人は自分の属している会社名をたいへん自慢するけれど(一流会社であれば特に)、それはもちろん、「会社名以外は自慢できない」ということの裏返しである。仕事そのものを愛していれば、会社名や、あるいは会社に属すること自体も捨てることができる。しかし、日本人はあくまでも仕事そのもの、あるいは会社そのものではなく、雰囲気としての「会社に属して誇らしいワタシ」が好きなのである。

勝手な推計だけれど、調達・購買に関わっている人たちで、この仕事そのものを愛しているのは2割もいないと思う。他の人たちは、何ら好きではない。だから発展もないし、自ら勉強することもない。このような人が新たな道を拓くことはないだろう。

しかし、私はこれに絶望しているわけではない。いつの時代だって、「他者の言うことに従うしかない人」と「愉しく活躍し、他者を従える人」の二種類にわかれてきた。その意味でいえば、私のコメントは、現状を紋切り型に切り取ったに過ぎない。

私は「これからの調達の話をしよう」と書いた。おそらく、そのときに重要なのは、「そもそも調達の仕事に携わり続けるか」と問うことなのだと思う。

もしそれがYESでなければ、これからの調達を知る必要もないでしょう。

そう思う。

私はよく「調達」をパソコンで「蝶たち」とタイプミスしてしまう。しかし、最近はそれができすぎた偶然ではないかと思うようになってきた。

蝶たち――、世界に飛び立てる私たちが、もし自分の好きでもない巣に留まっていたとしたら、それほど哀しいことはない。

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