はじめに②

はじめに②

もちろん、難しい購買理論の本なら出版されている。英語ではたくさんある。で
も、バイヤーに必要なのは難しい理論じゃなく、目の前の営業マンとどう渡り合っ
ていくかということが 100倍、いや 1000倍大事なんだ。

そして、大事なのは行動することだ。試行錯誤を繰り返すことだ。ちょっとの知
識を得たら、それを自分の業務に応用してやってみればいい。難しい理論なんて無
用だ。自分の頭で少し考えること。そして、行動することだ。

「ビジネスっていうのは win-winの関係になることだけが全てさ」、という言説が
あまりにも広がりすぎているように思う。 Win-win?たしかに美しい言葉だ。だけ
ど、一方で海外とのビジネスの場で日本人が騙されている事例も枚挙に暇がない。
むしろ、逆に「自分のまわりは自己利益を追求する奴らばっかりだ」とでも考えて
いたほうがまだマシなのではないだろうか。だって、それは資本主義社会の一つの
正しい側面なんだもん。

ここからは、今まで誰も公には言ってこなかったことを書いていく。だから反発
もあるだろう。でも、ちょっと考えて欲しい。その反発は、これまで思いついたも
のだっただろうか?思いついたこともないようなものであれば、ぜひそれを新たな
思考のキッカケとしてほしい。

そして、この本が少しでも「買いの技術」の進化に寄与すること、あなたが一歩
を踏み出す起点になることを願ってやまない。

坂口孝則

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