死後に評価されてもしかたがない

死後に評価されてもしかたがない

小説家として知られることになるヘンリー・ダーガーは、生前誰にも作品を見せることはなく、死んでから作品が発見されることで有名になった。また、科学者のキャヴェンディッシュは同じく、誰にも知られないように研究を進め、死後にその業績が広く知られるようになる。

このように、誰にでも知られない自分だけの世界を構築してしまう偉人たちが少なからず存在する。他者のためではなく、完全に自分のためだけに捧げた作品を作り上げたことに、私はどこか畏敬の念を感じずにはいられない。

しかし、現在も、そのような「人知れぬ」作品たちが存在している。しかも、サイバースペースという異空間のなかに。

以前は、ホームページを作りさえすれば、見知らぬ買い手たちと出会える、という幻想が流布していた時期があった。しかし、これほど多量のホームページが玉石混交する現在にあっては、そのほとんどが人目に触れない「作品」となる。

この前、ある中小企業の人と話をした。「ホームページを作ったが、アクセスが一日5ヒットしかなかった」と教えてくれた。「しかも、そのうち2ヒットは、自分だった」とも。

人々は「検索エンジンがあるから大丈夫だ」という。しかし、検索エンジンに期待するのであれば、次の工夫は必要となる。それは「検索者の行動を読む」ということだ。

検索者は、緊急でプレス部品をほしいときは、「緊急 プレス部品」と入力するだろう。あるいは、「特急 プレス部品」かもしれない。そのとき、「緊急」「特急」というフレーズと無縁なホームページであれば、検索者の視野から消えたままだ。

考えれば分かる。トイレの配管が壊れてしまったら、「配管 明日 修理」と入力するだろう。これは「配管を明日に修理したい」という欲求を抜粋したものだ。すぐに鍛造品の試作を作りたいのであれば、「鍛造 緊急 試作」と入力するだろう。その入力フレーズを予想できれば、自社のホームページにちりばめれば良い。

未発表作品ほど空しいものはないのだから。

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