半導体製造装置に見る景気回復

半導体製造装置に見る景気回復

ある人と話していた。「景気動向が一瞬でわかる」という。内容は、ネジの生産量だという。その人はネジの工場を営んでいて、全世界から注文が入る。イスラエルやEURO……。それらの量を把握すれば景気が「ほぼ間違いなく予想できる」というのだ。

違うある人と話していた。「景気動向が一瞬でわかる」という。内容は、東名高速道路のトラックの量を見るという。「+1ヶ月後の景気がピタリ当たりますよ」というのだ。

ネジ、交通量……。それらは定点観測と呼ばれるものだ。けっしてマクロではない。しかし、ミクロであってもそこに何かしらの説得性はある。それはミクロであっても、いやミクロだからこそ見える「世界の真実」がある、少なくとも「真実」があるように感じるからだろう。

先日の報道では、半導体製造装置の需要が昨年比で11%ほどあがっているという。半導体製造装置といえば、景気を見るときに使われる先行指数だ。半導体製造装置を導入し、将来の大きな需要に備える……。これも一つの基準に過ぎないけれど、景気を見るに目安にはなるだろう。

とすると、これから中期的には景気が回復することが予想される。これは珍しく明るいニュースだ。

しかし、気になることもある。半導体製造装置の導入理由は、主に新興国の需要増だという。もちろん世界の景気は密接に連動しているから日本もその恩恵にあずかる可能性はあるだろう。ただ、日本の景気回復ではないことは指摘しておきたい。

ところで、もう一人「景気を当てることができる」という人と話したことがある。その人は「会社の社員の歩くスピードが上がっている」ことだという。

さて、ここで問いたい。あなたの会社の社員の歩く速度はどうなっているだろうか。一年前と比してあがっているのであれば、会社の景気が上向くかもしれない。

もちろんこれは定点観測にすぎないけれど。

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