勉強会のススメ(牧野直哉)

勉強会のススメ(牧野直哉)

もう十数年間、勤務先が変わっても継続している勉強会。職場の同僚を数人集めて開催しています。このようなページでは、様々なビジネスパーソン向けのセミナーが開催されています。そういったセミナーの中には、業務に役立つ内容もあります。しかし、ビジネスパーソンのスキルアップには、机を並べた同僚の皆さんとの勉強会を、自分から言い出しておこなうことが、より効果的と考えています。なぜなのでしょうか。

正直にいえば、私は同僚とか後輩のために勉強会をボランティア精神に満ちあふれて主催したことは一度もありません。すべてにおいて例外なく「自分のため」であり、同僚を「利用」しているのです。もちろん、同僚を「利用した」ことに対する対価は、勉強会の中で十分に支払っているつもりです。出席してくれる同僚にとっても価値あるものにすることが、私は直接的に自分のためになると考えています。

あらためて私の考える、勉強会を主催して開催するメリットは次の通りです。

1. 勉強会を「主催」することで運営の主導権を握ることができる

開催するペース、スケジュール、またテーマ選定においても、出席者との調整は必要になりますが、主催者=中心になることで「主導権」を容易に握ることができます。結果、自分のペースで運営し、開催することが可能です。

そういっても、注意したいのは開催頻度です。思い出したように「たまに」開催するのでは、「継続性」が維持できません。私がオススメする開催頻度は、週一回開催です。そして、週一回開催でできるような「簡単な」内容でかまわないのです。

また勉強会の進行は、主催者がおこないます。数人の会でも十分にファシリテーションのトレーニングになります。

2. 「身近」な開催が「継続性」を生む

先にご紹介したセミナーを検索するホームページを見ても、様々なセミナーや研修会が、毎日開催されています。しかし、勤務先とは別に開催会場まで足を運ぶことが難しい方も多いはずです。それが、毎日通勤している勤務先であれば、会場へ足を運ぶとの大きなハードルが減るわけです。

3. 「三人寄れば文殊の知恵」効果

「三人寄れば文殊の知恵」には、つぎのような意味があります。

「文殊」とは知恵をつかさどる菩薩のことで、凡人でも三人で集まって相談すれば、文殊に劣らぬほどよい知恵が出るものだということ。

(故事ことわざ辞典 http://kotowaza-allguide.com/ より引用)

同じオフィスで、ほぼ変わらない仕事をしていても、人それぞれ視点や興味のポイントはまちまちです。また考え方は似通っていても、表現方法が違っていたりします。そのような「差」や「違い」を顕在化させることで、参加者同士お互いに「刺激」を与え、受け合うのが、この勉強会の重要な目的になるわけです。

次に、では具体的にどのような内容で開催するかです。私は以下のようなテーマで開催しています。

(1) 担当業務説明

一口に「同僚」といっても、個人へのPC導入によって、隣で仕事をしている同僚の仕事内容をよく知らないケースはありがちです。たとえば、調達購買部門では、

① 何を買っているのか

② どんなサプライヤーか

③ なぜ、そのサプライヤーなのか

④ 価格レベル

⑤ 今後のサプライヤーの展開について

⑥ 現在の課題(対サプライヤーと、対社内)

といった、参加者全員に共通したポイントを提示して、説明をして、聞くのです。このようなポイントで、①~⑤までは「ふ~ん」で終わってしまうかもしれません。しかし⑥現在の課題(対サプライヤーと、対社内)というポイントでは、参加者の共通の話題になります。特に「対社内」のアクションは、個人の性格も異なるため、似通った環境に身を置く同僚のやり方は、大いに参考になるはずです。

(2) 業務処理方法の説明

同じ部門に所属して、同じ情報システムを活用して業務を進めていても、各自で工夫している点や、具体的な処理方法までまったく同じではありません。従い、参加者全員がやっていることを、皆でどのように理解し、実践しているかを共有します。私は過去、このテーマでの勉強会で、大きな業務改善を実現した経験を持っています。

私の勤務先では、サプライヤーに発行する注文書に8桁の注文番号を発行していました。8桁の数字にはすべて桁毎に必要な情報を持っています。支払い価格の承認では、サプライヤーの見積と自社の注文書の双方に同じ注文番号が無ければ支払いに繋がらない仕組みです。故に、注文番号のチェックは重要です。当事者たる担当者とその上位者のチェックと、別の第三者のチェックが必要でした。ポイントは当事者としてのチェックです。

私は以前、全桁をチェックしていました。すると、同僚の一人が半分の四桁しかチェックしていない事実と、その理由を説明してくれました。チェックしない4桁には、①事業セグメント ②事業期 ③所属部門 ④担当者の3つが数字とアルファベットで表現されています。残りの4桁が、注文番号としての固有の番号になるわけです。チェックしない4桁は、ほとんど変動がありません。従い、変動する部分だけ4桁のチェックしかおこなっていなかったわけです。

説明してくれた同僚は、実際にやってみて、セルフチェックの後、第三者チェックでどれほど間違いが指摘されるかを実際にやってみてそうです。すると、8桁チェックとまったく変わらない結果が、説明を受けたときも継続していました。私も実際にやってみて、ずいぶんチェックが楽に、それも確実になったことを記憶しています。

このことは、その後所属部門の業務マニュアルに反映され、正しい業務処理方法として設定されました。このことは、業務そのものに費やす時間を減らすことができたというメリットがあります。そしてもう一つ、注文番号8桁のそれぞれの意味を考え、最低限必要なチェック項目を見いだしたという点で、自分が処理する書類に記載していることを理解することの重要性を再認識するきっかけになったわけです。

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