日本の製造業の将来について

日本の製造業の将来について

年初に行われた「2010年を読み解くバイヤーの集い」では、日本製造業の将来性に疑問が呈された。第一線で活躍するバイヤーのみなさんのコメントとはいえ、日々ものづくりの中で仕事をしている私は、そうあってほしくないという希望的観測も手伝って、信じ切れてはいなかった。しかし昨日、そんな希望的観測がもろくも崩れ去った。

もう10年近い付き合いになるサプライヤーを訪問。旧知の社長と話をしている中で、2010年を読み解く~で語られた内容と全く変わらない発言を聞いたのだ。もう日本の製造業に未来はないということだった。

その社長は、日本の高度成長、オイルショック、バブル景気とその後の長く続く不景気を当事者して経験している。今回の話の中でも、自分の会社が長い歴史の中で大きくもなり、小さい時代もあったことを懐かしんでいた。ここ数年は、中国進出の成功により、事業も好調な様子である。顧客には日本の大手製造業が名を連ね、順風満帆な部分しかみることができない。そんな社長がボソッと日本製造業の将来を憂いたのだ。

傍目で見れば順調な経営を行っている企業のトップが、経営している中での実感を伴ってする発言は重い。私は、その話へ至る背景を聞いてみた。話は経済にとどまることなく、政治や世界情勢を含めて多岐に及んだ。結論としては、あらゆる面での戦略不在に行き着くことになる。私が尊敬する間接材購買エキスパートバイヤーの発言によれば、日本は実績を重視するあまり、戦略不在になりがちになる。そうそう、同じく尊敬する日本を代表する材料メーカーのバイヤーも、日本は材料獲得について国家戦略をもたないと発言していたっけ。政治家のみなさんにとっては、鉱山資源よりも選挙の票が大事なんだろうな。

私はあまのじゃくな人間なので、悲観的観測に対しては、そんなことないだろうといいたくなる。しかし、私なんかよりもよりものづくりに近く、ものづくりに人生を捧げたといえる尊敬すべき先輩の発言は、私にとって非常に重く受け止める必要がある。そしてあまのじゃくさを思う存分発揮して、そうならないように、日本の製造業に未来を確保することが、私の人生を賭す使命かもしれない。

 

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