「バイヤーの敵」を考えるバイヤー 第一回「サプライヤー」

「バイヤーの敵」を考えるバイヤー 第一回「サプライヤー」

最近のブログを読んでいると、戦っていることを書いているな、と思う(みんなそうか)。で、久々に5回シリーズで「バイヤーの敵」について書いてみたいと思う。私は、この「敵」と呼ばざるを得ない対象をどうやって味方にするか?仲間にするかを日々考えているわけだ。今日がその第一回。今回の戦うべき相手はサプライヤーである。

バイヤーは、サプライヤーがあって仕事が成り立つ。それを「敵」とは何事か?そんな風にお叱りを受けることを覚悟して、あえて書きたいと思う。私は、サプライヤーは最初は全て「敵」であり、信頼関係を構築して、味方・仲間にしていくことがバイヤーとしての使命と思っているのだ。

バイヤーとサプライヤーの営業が対峙する場面。バイヤーは少しでも好条件を引き出そうと躍起になる。サプライヤーの営業マンは、なんとか値段を下げないように、厄介な条件をつけられないようにと、あれもこれもどれもそれもと持論を展開する。その場面はまさに戦争であり、2社間に存在する限られたパイの奪い合いだ。これは厳しく、激しくならざるを得ない。だから敵だと相手を認識しているのである。

でも、ずっと敵ではない。双方の利害をできる限り一致させたり、お互いに仕事をやり易く双方が努力したりすれば、お互い信頼関係が生まれ、戦いは終わりを告げる。そして新たな状況を作りだすことを試みる。それは「緊張」関係だ。信頼関係と言えば耳障りもいいし、誰も否定はしないだろう。でも、信頼関係と馴れ合いって紙一重だと思うのだ。サプライヤーと構築した信頼関係は保ちつつ、でも緊張感を持ち続け、お互いに切磋琢磨を続ける。これが正しい姿ではないかと思うのだ。

サプライヤーを「敵」とみなすには、もう一つ理由がある。たまに、なんだか妙にいきなり「味方」「仲間」を装うサプライヤーがいるためだ。たいした苦労もなく、お互いの信頼関係が構築できるはずもない。それは信頼でなく、バイヤーが一方的に利用されているか、騙されていると考えた方が良い。理由なき笑顔で近づいている人を、状況によっては不審者と思う場面もある。バイヤーは、常に信頼関係に裏打ちされていない笑顔には、注意を払うべきだと思うのだ。そして、最初から「味方」「仲間」と思った相手は、大きな確立で後に本当の「敵」に変貌する瞬間がやってくる。バイヤーが真っ当に仕事をすること、改善したり価格の交渉を行ったりを好まない。「笑顔」で近づいてくるってことは、その当時の現状で充分満足していることであり、変化を好まない。バイヤーの仕事って変化すること、させることだと思う私にとって、変化を好まずに現状維持の継続だけを好むサプライヤーは本当の「敵」にしか見えないのである。

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